コンテナハウスのバイブル

日本のコンテナハウスのバイブルです(専門家向)

コンテナハウスのバイブルです。
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現実には「コンテナハウス」の専門家は日本に一人を除いて(誰だ)いないと言えます。まだ始まったばかりのジャンルだからというのもありますし、建築家は興味を持ちませんでした。なぜなら工業化された箱だし、「建築」には使えないと思ったからです。確かに昔から「輸送用ISOコンテナ」の改造業というのはありました。そのようなものは「本格的建築志向」の方には無縁の世界でした。

この「コンテナ建築」という世界はまだ始まってから20年程度の世界です。手探りで始まったこの世界を、整理しようとしている方は日本には見当たりませんし、「おしゃれなコンテナハウス」てな程度のキャッチコピーで「特異な世界」として進めている程度のものです。本格的な始まりは今がまさにそうなのです。

モジュラー建築は、コンテナメーカーによって発明されたわけでないですね。振り返ってみれば、ル・コルビュジエの考案したモデュロールがあり、第二次大戦後の東ドイツではコンクリートパネルを使ったプラッテンバウと呼ばれるプレハブ団地も作られていました。平等主義的な理想にもとづくこれらの近代モジュラー建築&工業化建築は、1世紀ほど前から私たちの住環境をかたちづくってきたと言えるでしょう。

米国のCASE STUDY HOUSEのプロジェクトも「モジュラー」とは言わないけれど、工業化建築のプロトタイプです。それは実は米国も疲弊していた第二次世界大戦の後に万民にレベルの高い住宅を安価に供給するという目的で進められました。そして最近では、この流れの延長として、個人の住宅や商業施設もコンテナという概念を取り込んだものが急に増えて来ました。

ルコルビュジェ:モデュロール
プラッテンバウ

コンテナ建築は、これらのモジュラー建築や工業化建築と流れを同一にする所もありますが、実は決定的に大きく違う部分があります。コンテナで建築をやっている会社ですら気が付いてない重要なポイントです。それは「ロジスティクスの概念を内包する建築」という所です。その躯体そのものが世界に網羅されている「輸送用コンテナのロジスティクス」を利用出来るという、「ロジスティカルアーキテクチャ」という部分です。

建築としては特徴的なその外観に騙されがちですが(それはそれで面白い世界ですが)、本当に特徴的な特質はこの「ロジスティクス」という概念と共にあるという事なのです。コンテナハウスは今や、そのロジスティカルな特質を持ったシステム建築として昇華しようとしているフェーズに入っているのです。そして、その先には「地球全体」が活躍フィールドという世界が広がっているのです。

建築物の最終目標は「持続できる人々の幸せを作る事、守る事」です。太古の昔から「安心安全」を守り、「明日の元気を培う」のが建築物の原点である「住居」の目的でした。コンテナハウスがその目的を成就出来るように、オープン部品として活躍できる日を夢見ながら、技術的側面やデザイン的アイデアの紹介をして行きたいと思います。

あなた方のレベルが上がるという事は、わたくしどものレベルはさらに上がっていくという事です(爆)。一つの方法として、今まで全ての仕事の中で、それを進める設計過程で「何か一つ」は新しい試みを自分に課してやって来ました。せっかく頂いた仕事ですから、何か一つでも向上させたい一心です。そのようなテーマも織り込みながら解説するパターンなども入れて行きましょう。

何かと、失敗を重ねながら生きている「筆者」=「しくじり先生」(爆) 2020年4月1日