コンテナハウスバイブル_004_コンテナはどうやって繋ぐのか?(専門家向)

コンテナハウスはコンテナ1台で完結するものもありますが、20FEETが1台では13.5㎡程度。日本人感覚でいうと9畳くらいの広さなので、離れのホビールームや倉庫程度くらいでないとなかなか単独で成り立つものは少ないようです。
当社では「コンテナのプロポーションを横倒しにしたプロポーションで使うLay_down方式というコンテナも存在しますがそちらで16㎡くらいになります。これでやっと「ワンルームマンション」程度の面積にはなりますが、一般的には「複数を繋いで使う」という事になります。

7台の20FEETコンテナを組み合わせた「ガレージハウス」

当社のコンテナは「ボックス状のラーメン構造物」になっています。(輸送用ISOコンテナはここではもう相手にしていません。悪しからず)。これを「ピンジョイント」で繋いでいくという手法になります。柱脚と柱頭にアンカー用プレート。上部は繋ぐ時に使う「フィラープレート」を2つのコンテナに(あるいはそれ以上のコンテナ)を被せて、ボルトアップするという方法です。

ISOコンテナでは「輸送時のコンテナ自身の荷崩れ」を防ぐために「ラッシング(緊縛)」する為の治具やコンテナ自身の緊結用ホールなどがありますが、建築的な緊結に使えるものではありません。ここは自身で緊結方法を考え出さねばなりません。基本的にはこの緊結部分がネックになって「多層階(2階以上)のコンテナハウス」を考えるのは難解な部分となります。色々とディティールを考えるにしても、「FAB」が対応してくれるかもわからないし、建築的に有効な製造方法を取ってくれるかも普通には判りません。まそこで一般的には2階以上のコンテナ建築は「鉄骨造」の世界になるので、日本の建築基準法の規制の中で諦める事になります。そして「平屋」だけの4号建築の世界で我慢しようという事になるのでしょう。でも不可能ではありませんので、構造屋さんとしっかり相談しながら考えてみてください。

当社のコンテナは基本的には「コンテナファン」(そういう方が世の中には存在するのです)のためにという部分もありますので「コンテナの特徴である外壁材、コンテナ扉」などは使いながら、構造体としては輸送用コンテナとは全く違状態で、連結部も特別なディティールで作られています。

20FEET単体の写真

平屋だとしても、複数のコンテナを使う場合は十分な強度で連結・緊結されなければなりません。基本は基礎側は基礎のアンカーに、上部は連結プレートで繋ぐという事になるでしょう。ピンジョイントで繋ぐ事になりますから、それぞれの筐体は「地震時」には多少の「動き」が出てくる事になります。その辺の処理も考えるのか、無視するのかという事になりますが、それはあなたの判断と、建築主事の考える事です。結論を出すには計算結果で考える事になるでしょう。ここでお伝え出来ることは、この時点で「ISO輸送用コンテナ」がやはり使う事が出来ないという事を理解出来るかと思います。街にはあふれていますけどね(爆)。