コンテナハウス_バイブル_006_次の展開(複層型)_専門家向

複数のコンテナを組み合わせてプランを展開する時、次のような展開が考えられます。

1.単純にコンテナを並べて繋いでいく方法

一般にはこの方法しかないと思われています。アンカーの精度や躯体の精度を考えなければならないので、この場合、躯体の最外部のライン同士を一般的には20mmほどの「不陸対策用寸法」を確保して繋いでいきます。コンテナ1台が「ラーメン構造のボックス」となり、それを「ピンジョイント」で繋ぐという概念になるのです。基礎側は基礎のアンカーと、柱頭部は柱頭部で、連結は「フィラープレート」を被せて隣同士のコンテナを繋いでいきます。

2.「不陸対策用の隙間」を全体寸法調整に使う。(ハイブリッドの始まりですね)

コンテナそのものは「厳格な寸法体系の決まり」があります。輸送用のシステムとして当然のことながらそれらがシステマチックに整理されていなければならないので、箱の寸法やその緊縛のための方法も決まっています。「建築的な側面」から見ると「モジュラー建築」という見え方になりますね、そのこと自体は、ダブルグリッドのシステム建築という理解と、自分自身でもその事をルールとして「建築のシステム」を考えるのがいいと思います。

そのダブルグリッド寸法を「ある種別の意味合いに考える事」によって、新たなシステムが成立していきます。これが当社の「ハイブリッドシステム」の原型となっています。なおこの考え方は著作権上の問題がありますのでその事を考えながら考察してほしいと思います(真似するなよと言う事です)。この考え方の先は「もう一つのシステム」を考えるのか、ここにも「モジュラー思想」を反映して展開していくかは自由なのですが、システム建築を目指すなら「modular oriented」に考えるべきだと推察します。

もちろん「建築は自由だ!」と叫んで自由な寸法で作り上げるのも一つの方法です(爆)

3.ダブルグリッドの隙間ではないエンド部分(イクステンション工法の始まり)

ダブルグリッドに挟まれていない端部にも「繋いで伸びる」部分を作ることが可能です。剛構造のボックスに繋ぐことが出来る形態で考えることになりますが、この伸展が「イクステンション工法」の始まりとなります。

4.上記までは「平屋の場合」だが、「多層階」になると解析は複雑になりますね。

ここは、あなたが考える構造体のことが分からないので具体的な事はお伝え出来ませんが、基本的には「ボックス状のラーメン構造体」がピンジョイントで上下左右につながっていくイメージです。問題はそのピンジョイントをどう考えるかと言う事と、力のつながり方の解析のモデルをどう考えるかという事になります。どちらにしても「上下階の梁が2本重なる」し、汎用ソフトには乗らない面倒な仕事になるので、大体ここで、面倒な「やりたくない仕事」になってしまいます(爆)。

5.やりたくない仕事をやってこそ、オンリーワンのナンバーワンになれる。

そんな訳で、ふざけている訳ではありませんが、コンテナ建築に向かって本気で取り組む事の意味について考えないと、なかなかモチベーションが上がらないという部分もあります。当社としては「世界に通じるロジスティクスをすでに確保しているコンテナのシステム」を建築のシステム上でも使ってロジスティカルなワールドワイドオープン躯体を作り上げ、人類の役に立ちたいと考えているのが全てのモチベーションの原点です。「面倒だなあ。めんどくさいなあ、どうしてこんなことやってるんだろう」って言いながらやり続ける理由があなたの中に必要となるでしょう。

と言うわけで、本当のキモの所は、あなたがどのようなモデルを考えるかはあなた次第なので基本的考え方のヒントしか書いておりませんので悪しからず。なお専門の方からお問い合わせや、質問のメールをいただきましても返事はしませんのでよろしくお願いいたします(爆)。

一般の方のご質問にはお答えしますので何なりとお聞きくださいませ。

現代コンテナ建築研究所 2020/05