コーチング_第5章_「店のデザイン」_008_動きやすい厨房のデザイン?

E-008.動きやすい厨房のデザイン?
厨房のデザイン、レイアウトは機能的にしていかねばなりませんが、いわゆる大厨房ではなく、カフェの厨房です。少数の人間が使いやすいパターンと、大人数で使いやすいレイアウトは違います。間違えないでね。

工房と言ったり、厨房と言ったりいい方は人によって違いますが、この違いはそこまで認識して言っているかどうか疑問ですが、「工房」という語源は美術家や工芸家などの仕事場、アトリエ、などを指すコトバです。料理を作る人もそういう意識で挑む人が増えてきたと言うことでしょう。
さて、その作業場ですが、食材を計量し、調理し、仕上げ。その一連の作業を普通カフェでは一つのスペースで行うわけです。一般的に考えると、その作業順に機械や各作業向けのコーナーが順番に並んでいる方が効率的なような感覚があるし、誰が聞いても納得できる話のように見えます。

実は違います。こうなっていて欲しいのは、ある程度の規模になり、各作業別の担当職人がいるような規模の厨房の場合の話です。実際のカフェでは一人だったり、多くても4~5人の料理人で料理を作っていくわけです。そして、実際に作る料理は20種類~40種類くらいの料理を作り上げるわけです。つまりこれは工程的にはスタートし、追いかけたり、モノによっては先にスタートしたモノを抜いたり、抜かれたり入れ子状態になりながら作り上げられていくわけです。

その場合、一つの工程をこなし、では次に、それが終わってまた次にというわけに行かず、途中まで進んだら、今度はこっちが始まり、それが終わったら今度はこっちを成形して、次はこれを捏ねて、進んだり、戻ったり、いろいろなパターンで動き回ることになり、各作業空間をコーナー単位にすることは大切なことですが、順番に並べる必要など実は全然ありません。

むしろ必要なことは各コーナーへの距離がネットワーク的にどこからも近いことがスピーディーに無駄なく動ける良い工房として出来上がる。という考え方をする方が正しい工房計画となります。
この話は、実は実際に工房で働いて技術を身につけてきたのはあなたですから、とやかく言うほどのことではないでしょうが、唯一私が実際に見ていて思うのは先ほどの「工程順に作業コーナーが並んでいる必要はない」ということです。(実は筆者は自分のカフェで料理を作ったりもしていました)

皆さんは働いている間、狭かったり、使い勝手が悪くても我慢してやってきました。自分の店ではないのですからある意味しかたありません。だんだん「独立開業」ということが頭に浮かび初めてからはそうでないかも知れませんが、それまで厨房機器のことで真剣に考えたことはなかったかも知れません。ましてやその寸法の事など思いつきもしなかったかも知れません。

今回「あなたの工房」を作ることになります。導入する窯のメーカー、サイズ、電気容量、全体寸法、電気容量、設置場所、冷凍庫、冷蔵庫、全て寸法さえわからないでしょう。給水がいる。排水がいる。どうやって給水するか排水するか、そんなこと当然わかりません。そこを、プロフェッションとして手伝い、設置計画を立て給排水電気設備などの交通整理をし、全体の計画を立てるのが「建築家」だったり「店舗デザイナー」だったりします。

でも彼らの多くは深く、本当の知識として「厨房」の事を知っていることは普通まずありません。何のためにどんな風にどんなサイズのモノを並べたいのか、それには給排水が必要か必要でないか、電源は「動力(3相200V)」か「電灯(100V)」なのか、を伝える資料だけは準備しなければなりません。

ついでに言っておきますが、店舗が出来上がって、では機械類を運び込みましょうという日になって「オーブンが入口から入りません(サイズが大きい)」や「この通路を通って冷凍庫を入れることが出来ません」などという悲劇が、いまだになくならないことをお伝えしておきましょう。気をつけてください。

本日のコーチE-008

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