コーチング_第5章_「店のデザイン」_003_ 注文前の情報提供は優しく

E-003.注文前の情報提供は優しく
概ねメニューに頼ることになりますが、お客様があなたの店の事を最初に知る手がかりはメニューブックなどの情報を通してということになります。それらの情報提供はお客様の身になって丁寧なものを心掛けましょう。

あなたと私の間に存在するものそれが「インターフェース」です。もっと解りやすい例を出しましょう。インターネットの世界で例えば具体的にはパソコンの「ディスプレイ」が「情報」と「人間」のインターフェースと言えます。重要な要素なのでしっかりとわかってもらいましょう。日本語訳としては「中間面」「界面」「境界面」「共通領域」等と訳されますが、ちょっと解りにくいですね。もっと解り安く言うなら「積極的相互理解のための媒体」というような感じです。あはは、もっとわかりにくいですか?

幾重にもインターフェースは存在するのですが、ここでは二段階のインターフェースの話をしましょう。
まず第1段階として「街」と、あなたの「店」に重要なインターフェースが存在します。「街に対する店構え」ということです。一般的にはカフェであることを解ってもらいやすくする努力をしますね。ガラス面を大きくとって客席が見えるようにしたり、サイン(看板)をうまくデザインしたりします。あるいは建物そのものの雰囲気を欧風にしたりする人もいるでしょう。デザイン戦略的に、わざと「何屋さんか解らないデザイン」にして人の興味を引く場合もあります。

このインターフェースデザインは立地によっても考え方が変化してきます。例えば駅そばの商店街などの「徒歩」のかたばかりが相手になった場合と、郊外の生活道路沿いの出店では考え方が違ってくると言うことです。「商店街」では近隣も商品にあふれ返ります。そういったところでは、むしろシンプルなデザインにしたほうが周りの景色から切り取られとてもよく目立つ状況を作れるかもしれません。また、郊外のストリート立地であれば、走っていくクルマの中から認知出来る事が一つの重要なポイントになります。少しアメリカっぽい話になりますが、背の高いサインポールの上に商品のカタチをかたどったサインなどを付けるのが効果的な場合もあるでしょう。
・まずは目線をキャッチ(建物のカタチのデザインだったり、色だったり、文字だったりと様々な方法があります)
・そして近づいてもらって次の段階のより詳しい情報を提供するというような二段階構成が解りやすい情報構成です。
そして今度は店の中に入ってもらってからの第2段階のインターフェースが存在します。実はこの部分がとてもなおざりにされているので気をつけなければなりません。それは「商品」と「お客様」の間のインターフェースデザインです。
あなたが提供する料理には当然自信があって「料理そのもので勝負や!食べてみたらうならせてみせる」と思っていることでしょう。それはとても意気込みとしては素晴らしいことですし、意気込みだけではなく事実そうあって欲しいと私も思います。あなたは色々な料理の研究を重ねてきて様々な料理の知識があるでしょう。でも実は生活者に正しい料理の知識を持っている人などとても少ないということを知っておいてください。パンはベーキングパウダーで膨らませているなどと思っている人もいるのです。ものは試しにお客様に聞いてみましょうか?それはもうものすごい答えが返ってきます。
それ故、第2段階のインターフェースとして欲しいのは「詳しい料理の解説カード」のようなものです。価格表示と一緒になっていて構いませんから、どんな素材ででどういう趣旨の料理でどんな食べ方がいいのか、どんな飲み物との相性がいいのか、なども知らせてあげることです。

本日のコーチE-003
インターフェースデザイン。これはコミュニケーションデザインでもあります。
今時のデジタル系コミュニケーション技術の事を「IT」というじゃないですか、あれは「インフォメーションデザイン_Information Design」の略です。それだけ今では大事にされている概念です。

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