コーチング_第5章_「店のデザイン」_010_ おめでとう!ついに中間50記事目_最終回 色々考え過ぎたパッチワークを避ける

ついに半分目の記事まで来ましたね。ここまで根気良く読んだあなたはもしかすると「成功」するかも知れない(爆)

E-010.色々考え過ぎたパッチワークを避ける
デザインに興味があるオーナーにありがちな傾向ですが、日頃から気に入ったデザインモチーフをかき集め、ここはこんな写真の感じ、こちらはこの写真の感じで、などと言って、出来上がったらものすごいパッチワークになるケースを見たことがあります。

何度も言いますが、店舗はあなたの事業のステージです。ステージというのはメインに明るい光が当たり、それ以外は暗くて見えないぐらいの所です。スポットライトで照らすような所です。こてこての緞帳の前では、何が踊ろうが何が歌おうが観客席からは何も見えないのです。
・・・そんなことは重々承知だとは思うのですが、開業準備に追われ打ち合わせも数多く、合間に役所に行き、銀行に行き、仕入れに行き・・そんなこんなの日々が2ヶ月も続くと、さすがのあなたの頭の中からも「カフェのイメージ」が薄れていくのです。主役は沢山の用紙と印鑑に(笑)。本当は細部にまでこだわっていたい、デザイン性を統一し、あわないものは小物であっても一切置きたくない、南仏風(爆笑)っていったら南仏風!と思っていたとしても、「あぁもう時間がない、どうしよう、これでいいか!」と選んできた物はアメリカンポップ調だったりするのです。いや冗談でなく相当心を強く持ち、気を確かにしていないと(笑)あっという間にあなたのお店はパッチワークに。

実際例をあげるならば、デザインを統一し余計な物は排除しシンプルに、パンのステージにと作り上げた店舗の開業日、親戚のおじいさんが現れ「店にかざってくれれば・・」と持ってきた額は、「フクロウがネズミを銜えてキッとにらんでいる絵」(ネズミからは血が滴っている)でした。 ・・・フクロウは商売繁盛幸運のお守りだと言いながら・・・。どうでしょう?怖いでしょう。(爆笑)これはまだ「周りがパッチワークにしようとしている」のでましですが、救いようがないのが、店主や嫁自らパッチワークしているときです。思い入れのある雑貨や絵、子供が作ってくれた作品に、友人がお祝いにくれた壺、嫁の趣味の陶芸作品、おじいちゃんが作ってくれた竹の花瓶、おばーちゃんの刺し子のランチョンマット・・・。

ずっと店にいると、自分お店に慣れてきて、そこにおいてある物、絵、雑貨のおかしさに気づかなくなります。 つまりあなたの店があなたの居間状態になってしまうのです。居間ならご飯食べているテーブルの横にスーツがぽいっと脱いであっても、ランドセルが放ってあっても、「もう!かたづけてよ!」とは思うでしょうが、徐々に習慣化しあまり気にならなくなってくる。ひどくなると洗濯物が沢山干してあるなかでご飯食べていても誰も何も言わなくなる。 おかしいですから。 店をそんな生活臭あふれる居間にしないでください。いつも「イメージ」を統一させ、他人の家をのぞくように「違和感探し」「間違い探し」を習慣つけてください。

店舗のデザインにも方向性が必要です。それは特段デザインスタイルでもなくて結構ですが、デザイナー・建築家に伝えるべきものです。つまり「南仏風(爆笑)」とか「山小屋風(超爆笑)」(ごめんなさい引き受けられません)とか、伝える必要があります。「シンプルであればそれでいいです」でも結構ですが重要なのは私の建築作品を作ろうとしているわけではなく、あなたのカフェのスペースのデザインをしようとしているので、あなたの思想と連動し、少なくともそれを支援する空間を作ろうと考えています。少なくとも是非あなたのカフェの思想を伝えてください。その中でデザインは専門家に任せるのも一つの方法です。

自分の店ですから、もちろん自分の想いをたくさん反映させたいし、それはいいことです。それでこそ個性が出るし、あなたの店はFC店ではないのですから、是非そうしましょう。でも店のデザインは出来ないので、専門家に任せようということで自分が気に入っている「イメージの写真」などを集めていらっしゃるケースが結構あります。熱心でとてもいいことです。そしてコトバよりもダイレクトに伝わります。しかしながら多くの場合「こんな感じが好きで今回のコンセプトにも合うし・・・」「それにこっちはこんなところが好きですし・・・」「これもなんだかいいんですよね・・」と出してくれた写真は「それ全て違うジャンルのテイストなんですけど・・」ということが多いのです。それ合わせたらパッチワーク空間ですから・・・・。
店はあくまで事業の為のステージです。

本日のコーチE-010

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