卒業

卒業を待たずに、学生が当社の仕事を手伝ってくれていたが、本日が卒業式ということで、午前中は仕事を手伝って午後の卒業式に出かけて行った

「卒業おめでとう」

「卒業」というコトバの響きはなかなかいい。
ある一定の事を成し遂げた感覚、また旅立つ感じや、未来を彷彿とさせる感じ、あるいは一生懸命に勉学に勤しみ、課題をクリアし、パワーを付けて来た自分の歴史、そしてこの場所にやって来た。しかしながらここは到達点ではなく、新たなスタートの日であり通過点である。

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人はいくつもの通過点や結節点を通過しながら生きて行く。後悔することや悩むことも多々あるが、概ねどんな経験も役に立たないことは無く、未来に何かを置いてくれる。その繰り返しが人を育て巾を作って行く。

特に若い人たちは素敵だ。未来そのものだ。建築家としての卵さんたちが今日は何人も旅立つ。建築は総合芸術であり思想の体系でもあるので、醸成するには時間もかかるがそれだけやりがいもある。こっちだろうか、あっちだろうか、いろいろと試行錯誤しながら、到達点そのものはなかなか見えないけれど、その振幅はだんだんと小さくなり、着地点のイメージが固まって来るような、漸近線の到達点のような感じだと私は思っている。もちろん人によってその到達点は違い、その違いが思想の違いだ。

その本日卒業学生はもう「担当物件」を持っていて日々格闘してくれている。明日を担う若いチカラは、卒業を待たずして育っている。