避難住宅(Shelter)としての性能

最適のマッチング_現実的避難住宅としての工夫

「避難住宅」という概念は日本人にはあまりなかった。避難勧告を受けて避難する先は公民館や市役所、体育館といった公共施設がもっぱらだ。勿論シティーセンターは有事の際の活動の拠点になるのでそういう場所に市民を集めるほうが効率がいいし、実は「建築物の設計基準も公的施設は厳しく設定してある」ために避難先として適していると考えられている。

近年大きな災害が日本中に起き、「災害」に対する意識は否応無しに上がってきた。かといって市民はどうやっていつ何が起こるか分からない状況に対応して行けば良いのか分からない。とりあえず自分が住んでいる環境の立地としての「災害危険度」位はチェックしておくべきだろう。

海のそば・川のそば・山の下・崖地・海抜は何M?自治体に行ってハザードマップなどを確認してはどうでしょう。土砂崩れ・崖の崩壊・大雨・津波被災の危険地域か否か。これら土手の崩壊などこちらの努力ではどうにもならない部分に関しては、明確な答えが待っている。「引っ越し」か「非常時避難先への迅速な避難と連絡網」そしてその方法の確定確認。 これは答えがはっきりしている分覚悟も対応もしやすい。

問題はグレーな地域。比較的安全と考えられるが予想もしない事態に対して果たして大丈夫な地域か?という場所である。そのような場所で一番怖いのは「地震・雷・火事・竜巻」というところでしょう。

近年今までになかった災害として「竜巻」災害が急激に増えています。竜巻の強さを表す「FUJITAスケール」を下に示します。

fujita
hinan

コンテナ建築で耐えられる限界は地上の場合F3まで、地下に設置すればF6は問題外なのでF5までは大丈夫という事が言えるでしょう。とにかく大きな竜巻の場合「地下」しか逃げ場はないのです。水害を想定すると、地下は理想でないのはすぐ気づきます。雷は基本シェルターの中にいれば大丈夫ですが「火災発生」に気を付けねばなりません。どのような災害にも対応出来るとなると「サンダーバード」状態を考えねばなりません。

さて、そのような観点から「避難住宅としての性能」をかなり色々な点で満たす事の出来る状態は、地下1階、地上がピロティーの2階建てで2階と地下が避難空間の避難住宅という方向性が見えてきます。