被災支援活動 番屋の設計と設置

鉄の箱に命を吹き込む 現代コンテナ建築研究所

志津川本浜番屋 – Shizugawa Fishermen’s Workplace “Banya”

東関東大震災で、全てを失った志津川の15人の漁師さんが、町の主要産業である水産業復活の拠点となる番屋を建てることになりました。震災前は、それぞれが異なる漁業形態を営んでいた15人の漁師さんですが、今回の震災により、これからは共同経営に基づき、各自の特色を生かして一日も早く養殖の再開、そして町の復興を目指したいと思っています。養殖が波に乗り次第、直売り場やオイスターバーを増築する可能性も考えています。

アメリカの「Architecture_for_humanity」の寄付で建設されました。

A group of 15 fishermen who lost everything for the Great East Japan Earthquake would like to rebuild their workplace and warehouse (called Banya in Japanese) as their new base of the town’s fishing industry, which is the key industry of the area. These fishermen were used to operate individually, but now they would like to bring in each unique experience and idea to rebuild the collective aquafarming business. They hope the return of fishing business would encourage the speedy reconstruction of the rest of the town. Once their business takes off and gets enough harvest, they would like to open a market/oyster bar next to Banya.

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40FEETコンテナ躯体を2台使い、それらを梁で繋ぐ事によって中間に作業スペースを作り出し、極めてローコストに「番屋」を作り上げた。
ただ、思った以上に作業者を確保する事が難しいという現実に遭遇し、通常の設置期間を大幅に越える製作日数を要した。さらにシステムの充実に力を入れたい。

3.11の津波を超えて目指す社会

多くの犠牲と、破壊がもたらした「道しるべ」を見逃す事なく、明日の社会に結実させる事が、我々に必要な事だと考えるのは、私一人ではないでしょう。多くの被災者はまだ劣悪な環境の中にいます。一刻も早く被災者を救うべき一つの行動「被災者のための仮設住宅」ですら、どこかビジネスの種となって被災者オリエンテッドには進まないこの日本の有様は、多くの人を落胆させます。今進むべき道を間違ったら日本は終わりです。この災害が語りかける「サイン」を見逃さずに、日本の進むべき道を、一人一人が「自分に出来る事に誇りを持って」進めば、もう一度「世界のリーダー」に戻って行ける大きなベクトルとパワーを生み出す事になるでしょう。

目指すものは何か?

震災・津波災害・原発事故被害の3つの打撃は大きなものです。比較的大きな地震にも関わらず、「地震そのものの被害」は震動周期が比較的建物倒壊に繋がりにくいものであったために巨大地震にも関わらず比較的被害は少なくて済みましたが、1000年に一度といわれる「津波」は人知の記憶を遥かに凌駕するものだったために激甚なる犠牲や被害を生みました。人災ともいえる原発事故に関しては終わりの見えない不安が社会を覆い尽くしています。立ち尽くしてしまうほどの今後の課題に向かって勇気を出して進まねばなりません。日頃役にも立っていないと思っていた行政が、率先して動かねば何も進まない状況となっています。あらためて「行政」の役割の大きさを知った訳ですが、その陣容に不安感があるのは、日頃はそこまでの要求が突きつけられる事のない想定外の大きな災害だった事にもよるでしょう。

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被災地
凄惨な被災地(撮影:筆者 石巻市)

コンテナハウス 今、時代の流れは「ハイブリッド」と「パッケージディール」ですよ。

コンテナハウスを普通に作るのはもう随分多くの企業が乗り出して来ています。
いつの間にか「おもろい市場や」という事で乗り出して来ているのでしょう。
というわけで、まあまあそれなりにデザイン力もついて来て
20年前の「ISOコンテナ改造で・・・」とは違った世界になって来ました。
また、JIS鋼材を使わなきゃダメだとか
グレードを持っている工場で溶接しなきゃとか
ラーメン構造にするにはフルペネ溶接しなきゃだとかもわかって来ている企業も増えて
頼もしい事だと思っております。
ようやくそれが常識になりつつあり、いい事だと思っています。

さて、建築の基本はそれで整ったとしましょう。
デザイン力もまあ20年前と違って、割とフツウの状態までは近づいて来たかに思います。
時代の流れというか、概ねデザインの世界は、今年よりも来年、来年よりも再来年。
デザインに携わる方々がそれなりに成長しているので
レベルが下がることはなく、少しづつ上がって来ているようにお見受けします。
少し前までは「当社に同業者はいない」と豪語していましたが
「いや、それなりにやれるよいうになって来たじゃん」と思っています。

すまんね、そんな書き方で(爆)、そりゃね当社とデベロップは
20年前からやって来た事業なので、その蓄積は半端ではなく、
その手本を見ている人たちは20年はかからないかも知れないけれど
そうは言っても2000プラン以上書き続けている者には
半分づつ近づいて来ても永遠に追いつく事は出来ません。

そんな中、
当社の今の常識は
コンテナの組み合わせだけではなく「ハイブリッド」が主流です。
寸法の自由度が格段に広がるのです。
流石にこの世界はまだ我が社の独壇場です。
また、コンテナの宿命である「モジュール」の世界から解き放たれ
新たなシステム建築の開発が可能だからです。
システムとは「一般的ではない状況に対応できる事」を言います。
ボックスラーメンとラーメン的構造+ブレース構造との組み合わせで
新たな世界を開発して来ました。
そして、それを中心的な開発路線としています。
デザイン的な表現の世界も広がるし、機能空間の構成も広がるからです。

そして新たな新境地「パッケージディール」という手法と組み合わせ始めました。
CONTAINER X 自由度 X LOGISTICSという演算から「べき乗」的広がりが生まれ出したのです。

実作もこの境地の中で取り組み始めました。
そのレポートももうすぐです。
誰も追いつけない、新たなコンテナハウスの常識が広がり始めます。

全て話題作はarchimetal.jpだ。は崩れません。

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コンテナハウスに関して、毎日書き続ける事。それはネタの宝庫があってこそ可能なのです。

最近二月くらい前から、また毎日書き始めた。
同じ写真を使う事もあるが、それでもフォトストックは数千枚あります。
そして、書いている方向は違う方向で書いている。

毎日書くって大変かと思うかも知れないが
実は「息をするかのように書ける」。
だから、あらゆるコンテナハウスのサイトより毎日ボリュームが増えて行く。
昔は書く事よりもその整理をすることの方が大変で
ホームページはいつの間にか「クーロン城」となり、
すぐに数千ページのボリュームになって行く。
それじゃ読む方も疲れる。

最近はWORD_PRESSという「ブログ的」ホームページが主流なので
その基本編集ソフトをサーバーに入れているので
記事を掲載するときにその書き込んだ時の内容でジャンル分けをし
各方向でカテゴリーを決めると、比較的掲載の時点で枝分かれを作ることが出来るので整理が楽だ。

当社にはコンテナハウスを作る時の
テーマや、技術的方針や、開発したい方向性や、デザイン的テーマや、コンセプトがはっきりしているので
その仕分けは比較的楽だ。
「こんなん作りましたー」とかいう目の前のブツになんのテーマもなく恣意的な状態で作る事はないのだ。

それはこちらの意図だけではもちろんなく
クライアントの要望の中でコンセプトや、方向性や、事業方針など
開発して行くテーマをひもといてからのソリューションを求めて行くから
それに対する「ネタ」とも言うべき、求心的方向性が固まるから「ネタ」は尽きない。

また明日も、何かを求めて、「何かではない」はっきりとしたテーマで画面に向かう。
画面の向こうには図面ではなく「明日のコンテナハウス」の未来が見えている。

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コンテナハウスと「神の手」

コンテナハウスの中です(工事中ですが)

コンテナのBOXが中心的構造材ですが、
そこから千手観音のように別の構造材が伸び、
イクステンショナルな空間が広がる。

これが「ハイブリッド&イクステンション工法」です。
これによって獲得される特質は
コンテナは決まったサイズですが、そのサイズにこだわる事なく
作りたい空間を作り出せるという事です。

そしてこの拡張空間はシステマティックな「約束」をされているケースもあります。
その約束は工業的に展開する場合に採用されます。

システマティックな約束がない場合もあります。
破棄された約束からは「アーティスティック」な空間を創出するケースがほとんどです。

どちらにしろある種の「神の手」はコンテナハウスの世界に大きな可能性を生み出します。
現代コンテナ建築研究所の特徴です。

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コールテン鋼材とコンテナハウス

コールテン鋼材は
サビを纏わせてサビを防ぐという独特の形でサビを克服しようという耐候性鋼です。
当社のコンテナの外壁材にはこのコールテン鋼材が使われています。
サビによる腐食に強いとされてます。
ただし「塩分」があると、酸化被膜の形成がうまくいかず、
進行は遅いものの、止めることはできない場合があります。

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コンテナハウスのサイズ コンテナ サイズの完全解説

コンテナハウスのサイズを解説致しましょう。

海洋コンテナの一般的サイズは長さが2種類、高さが2種類。
その組み合わせでコンテナのサイズは結局4サイズがあります。

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さて上記のように海洋輸送用の寸法は一般的に使われるものは4種類です。
archimetal.jpでは上記のどれも作れますが
最もポピュラーなのは20FEETのHi_Cubeタイプです。
場合によっては20FEETの_normalも使います。
40FEETでは_Hi_Cubeタイプのサイズを使うことが多いです。

日本の建築基準法では輸送用のISOコンテナを使うことが出来ないので
実際には全て建築用のコンテナを設計から起こして作る事になるのですが
サイズは「コンテナ船」で運び、コンテナトレーラーで運ぶ事にロジスティクス上のメリットがありますから
海洋輸送用のコンテナのサイズで作ります。
でもこの事は「世界につながる道がある」という素晴らしい事でもあります。

20FEETが多いのは、実は40FEETの長さがトレーラーに載せて運ぶ時にはヘッドを入れますと、16M程度の長さになり、
一般的な物件を作る場所(敷地)に搬入することが難しいことが多いからです。
その点20FEETは、世田谷の街中などなかなか道の狭いところでは無理な事もありますが、概ね運べることが多いです。
それでも専用トレーラーでは難しいケースもあり、色々と工夫はしていますので、
狭い道の方もとりあえずご相談ください。

日本の道路交通法では3Mまでは一般道を走れますが、特別な許可が必要になったりします。

さて、シロウト考えですと、コンテナハウスはこれらのコンテナを単純に繋いでいくことになるのだろうと思ってしまいます。
実はもうそんなことはありません。下記をご覧ください

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上記のようにその繋ぎ方に色々な工法を編み出しているので
単純にモジュールの寸法の倍数ということはないのです。

それにまた、20FEETに限った話なのですが
コンテナを横倒しにしたプロポーションや
縦型にしたプロポーションで使う方向で作る事も出来るのです。
これは現代コンテナ建築研究所が開発した手法なので
他社でやっていたとしたら当社の真似事という事になります。

ガレージ

上記で解説した繋いでいく工法には
「ハイブリッド工法」と「イクステンション工法」という当社独自の工法があります。

ハイブリッドは下の写真のような方法です。
コンテナとコンテナの間を離し、それらを鋼材で繋いでいくのです。
寸法の自由度も確保しながら、コンテナ数を減らしてリーズナブルな物件として仕上げる事も出来ます。

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イクスパンション工法とは「端部」などに鋼材を繋いで「ガレージを作ったり、倉庫を作ったり」する方法です。
構造的に限界もありますが、ちょっとした増床などに使う手法です。

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これらの方法によって「元々のコンテナのモジュールサイズは決まっています」が、
自由な寸法体系で計画し始めたのがコンテナ建築の自由度を獲得した現代コンテナ建築研究所の独自の道だったのです。