コーチング_第5章_「店のデザイン」_004_ 視覚言語というコトバの意味する所

E-004.視覚言語というコトバの意味する所
情報という意味で、写真や空間デザインはある種の「意味」を伝えることが出来ます。言語と同じ意味を持っているわけです。そのような意味で、カタチあるものは「コトバ」と同じという事を理解し、それらは「形態言語」という捉え方をしてみましょう。

シニフィアン_シニフィエ(仏)

「文字」は一定の文法の元に「コトバ」をつなぎ合わせ、意味のある文章に作り上げ、それを人に読んでもらうことによってコミュニケーションをする事が可能になります。
あなたが作る「料理」も実は「コトバ」と同じく何かを伝えようとしています。その料理の姿が何かを語ると言うことです。「料理」に限らず、あらゆるものがその存在の意味や、使われる意味を持っています。単品でもあり得るし、複合的に組み合わされて「文章」のような意味を持たせられているものもあります。これはカタチのあるものはコトバと同じ効果を持っているという風に考えることが出来ると言うことです。「視覚言語」という考え方です。そう考えると、店のデザインを考える上でとても整理され解りやすくなります。

具体的に説明いたしましょう。ここにリンゴがあったとしましょう。こんなリンゴです。赤いしっかり熟れたリンゴです。このリンゴから伝わってくるものは「よく熟れたリンゴは赤いことが多い」「リンゴは酸味の利いた甘さを持っている」「風邪の時にはビタミン摂取に最適だし体を冷やさない」といった、人それぞれですがいろいろな情報がウラに張り付いています。これがリンゴが持っている「視覚言語」の中身なのです。この「リンゴ」という視覚言語が持っている要素の中で、ものを見て浮かぶ誰もに共通な部分「リンゴ」という部分のことをこの視覚言語が持つ「意味作用=シニフィアン」といいます。そしてウラに張り付いた様々な要素のことを「意味内容=シニフィエ」といいます。

ものに対する意味作用と意味内容のことを理解すると、店をデザインしていく方向性についてとても明確になっていくのです。この概念を使って、自分が作り上げていきたい一つの方向性を、この視覚言語の使い方で整えて行くことが出来るからです。

コンセプトを立てました。そのコンセプトのコトバの裏に潜んだ多くのイメージがあります。これがシニフィエです。空間をデザインしていくとき、空間のデザイン要素の中に、このコンセプトが持つシニフィエと同じシニフィエを持った空間要素でデザインしていけば、視覚言語的に統一された空間を計画しやすいという事になります。

本日のコーチE-001
シニフィアン、シニフィエというパン屋が出来たそうだ。きっとパンを題材に「シニフィアンとシニフィエ」を解説した1999年の私のコラムをパン関連サイトに掲載している。それを読んだな。違うかもしれないけど、、、、、。

UNADJUSTEDNONRAW_thumb_5684