コーチング_第3章_お店の企画_007_予算に合わせたデザインの進め方

コーチング_第3章_お店の企画_7/10 予算に合わせたデザインの進め方(27/100)

あなたの店は保健所が製造などを許可するレベルの厨房施設を持っている必要があります。これはホームパーティーではなく社会的な商業活動です。保健所の基準などさっさとクリアしたいのですが、無駄なこともしたくありません。

あなたに予算が無尽蔵にあるのなら、私はプロの建築家であり日本に数少ない「デザイン出来るデザイナー」ですので、あなたの思う通りのお店を、あなたの思った以上に素晴らしく作り上げましょう。お望みならば(説得は激くしますが(笑))山小屋風(爆笑)でもロココ調でもカリビアンでもサンタフェでもバロック調でも本格的に仕上げます、プロですから。

でもあなたの予算に限りがあっても、私はプロの建築家であり日本に数少ない「デザイン出来るデザイナー」ですので、あなたの思うようなお店を、その低予算であなたの想像よりもずっと素晴らしく作り上げます。
でも、そこにはやはり制約はあります。どこもかしこも思い通りの素材で思い通りの作りにしたらあなたの予算ではとうていムリです。

ならばどうするか?まさに「普通の白いシャツにジーンズであっても靴と時計とバッグが一級品であればショーメでもハリーウィンストンでもカルティエでも入れるぜ」法則です。全身シャネル【のような】バッタ物で装ってもそれらのお店のドアノブは開きません。「メリハリ」です。それにはコストをかけない部分には余計なことをしないというのが重要です。牛乳パックに千代紙(笑)だの安い布だの張ってリビングに小物入れとして置くような中途半端な貧乏くささが一番いけません。コストを掛けない部分こそシンプルに余計な装飾をしない。そして「ここにはかけたい!」という所にのみ張り込みましょう。

店内の「壁・天井・床」でいうなら、何処に一番コストをかけるべきだと思いますか。私が常に言い続けているのは「かけるなら床」です。建築物のその三種の中で、人が実際に接するのは床だけです。お店に入ってきて壁に頬ずりしたり、天井を触ろうとする人はいませんが、床だけはどんなお客様も必ずふれる、そこを歩んであなたとあなたのカフェ空間に入ってくる。ですから床の印象というのは視覚的にだけでなく、感覚として足下からその人へと残る。ただの安っぽいビニール張りの床と、堅いけれども柔らかく、嫌みな足音を立てず高級感がある床とではその印象がとても違う。壁の張り替えはしても床の張り替えは開業後なかなか出来ません。床にはコストを掛けるべきです。ですがたとえばタイルですと、よいタイルはあなたの想像価格と一桁価格がちがいます、タイルのショールームに行くとその値段にびっくりするでしょう。でもよい物はよい。それを床全面に引き詰めろというのではなく、黒いタイル張りの床の一部分に素晴らしいタイルの一角がある。そういった使い方でメリハリをつけるのも手です。

後は什器で工夫が出来ます。カウンターや棚を「家具職人」に頼むとそれはそれは高価となりますが、設計図さえあれば腕の良い大工はこともなげに作り上げます。材料費と大工の日当で完成です。その差は10分の1ぐらいでしょうか。でもそれがなかなか叶わない理由は「普通の工務店は家具の設計図を書かない」&「大工は設計図を渡されて初めて作る(デザイナーではない)」からです。大工に丸投げするとそれは「丈夫で壊れない大工創作」にしかなりませんが、設計図があれば「家具」となるのです。デザイナーの腕次第です。

そしてやはりかけるべきは「ファサード」です。店の顔ですから。見ただけであなたの店の「理念」がにじみ出るような、お客様の方も入る前からあなたのお店にイメージがわくようなそんなファサードにするには、安普請ではムリです。
「のんべんだらりとどこもかしこも中途半端な安物」というのが一番よくありません。それをすると雰囲気の合致から、見事に「勝手にフランチャイズ店」に仲間入り出来ます。

本日のコーチC-007
メリハリの利いたデザイン手法で、かけるところにはかけ、かけなくてもいいところは普通に作ることで予算を守りましょう。ヒットすればいつでも金をかけることは出来ますから。

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