コーチング_第3章_お店の企画_3/10 賃料の相場と立地条件の関係
C-003.賃料の相場と立地条件の関係
具体的に出店するためには、競合状態、出店地域の一般的賃料相場なども調べましょう。だんだん具体化すればするほど、金銭的なチェックと、マーケティング的な部分とのせめぎ合いになっていきます。将来的な変化の兆しなども見つめておきましょう。
物件を定め、いよいよ物件の契約をする時、家賃などの交渉をするつもりがありましたか?カフェでコーヒー代を値切られたことはないでしょうから思いつきませんでしたか?これはケースバイケースなので必ず成功する物でもないのですが、家賃は一般的に交渉する価値があります。18万という家賃表示であれば16万ぐらいまでの交渉は一般的に行われます。売り手市場の時期か、買い手市場の時期かでも随分違うのですがある程度の交渉はあり得ますので頑張ってみましょう。
交渉のポイントはただ一つ。大阪のおばちゃんのような交渉はやめましょう。「借りるさかいもうちょっとまけてーなー(謎)」ではなく、理論的に情熱を持っていきましょう。
つまり事業計画書をちゃんと作ってください。エクセルでちゃんと作ってください。毎日の売り上げ目標をちゃんと入れて経費や仕入れや固定費をちゃんと入れてください。家賃の項目も作ってください。そこに交渉したい額たとえば15万の額を入れたら何とかなり立つという数字にしたものと、現状18万の家賃表示であれば18万と入れると赤字になる計画書を作るくらいのイキオイです。それを見せ、「計画では家賃は15万なんです。是非ここでやればうまくいくと思うけれども家賃がこれでは成り立たないので是非協力していただきたい」という理論的な説得です。
いままでこれによる家賃引き下げ交渉成功率は90%です。もちろん常識を越える範囲ではムリですが単純に「安くしてください」よりも情熱を感じるし、ビジネス的計画性も感じるし、成功率は高くなります。2万円下げたとしましょう。年間24万円です。コーヒーを200円だとするとその純利が50円だとすれば、4800杯分です。カフェの世界は細やかな数字の積み重ねです。値切っても価値が変わらないものに対しては頑張って経済性を追求しましょう。
私の設計料は良心的設定なのでそれを値切るかたとは仕事はしませんのでその点はよろしく(爆笑)。今から創り出すものに対する金額設定のダウン交渉は、やる気をそぐので手抜きを招き、あまりいい結果を出すことが出来ません。これはたとえば特需で宴会用にランチボックスを500個作ってくださいという予約注文が入ったとしましょう。あなたがその話に歓びを感じお客様への心遣いで「わかりましたとても嬉しいので5%値引きもいたしましょう」といったのならともかく、「沢山注文するから750円を600円にまけてくれ」といわれたらランチボックス500個を作る気も削がれるでしょう。材料も変えたろうかという気になるでしょう。そういうことです。物事には交渉するポイントがあるということを知っておきましょう。
さらに家賃の場合。下げた後、敷金礼金についても、工事中の家賃発生日に関しても積極的に交渉をすべきでしょう。値段を交渉しても変わるもののない世界では交渉の形によっては「一生懸命なんだな」という感覚さえ覚えてしまうのです。
さて、商売が成り立ちそうな所(概ね人通りの多いところ)ほど家賃は上がっていきます。保証金も上がっていきます。あなたが手持ちのお金が余ってしょうがない状態であれば、保証金が高い場所に関しては、保証金は預け金ですから退去時には戻ってきますから、預けるのもいいでしょう。しかし毎月の家賃に関しては経営に直接関与してきます。集客できそうな種類の地域なのかを見極めて、バランスのいい候補地を選んでください。