コーチング_第3章_お店の企画_010_事業シミュレーション_第3章の最終回

C-010.事業シミュレーションで確認
概ね家賃や建設費、設備の予算などが解ってきたら、実際に見込めそうな売上であなたの店が成り立つかどうか、心配な部分はないかどうか「事業シミュレーション」を実行してみましょう。ここでは「エクセル」を使います。

前段までの話で明確な資料が出来たところでしょう。では事業シミュレーションをやってみましょう。基本的に事業シミュレーションというのはそれほど難しい作業ではありません。家計簿と同じく、収入があって支出があってその結果赤字か黒字かという事です。家計簿は事実をベースに作られますが、事業シミュレーションは予定をベースに作られると言うところが違う部分です。

では算出すべき項目を上げていきます。

支出の部
・総事業費(店舗開発費用・厨房機器・道具、食器等備品・その他買い入れるものすべて・自己資金償却)
・人件費・光熱水費・通信費・保険料・交通費・消耗品・家賃・借り入れ返済額・その他雑費
・商品価格とその材料原価

収入の部
・売上(客単価×来店数)・物販売上・雑収入

この程度で事業のシミュレーションは出来ます。ただ皆さんには想像しにくい部分がいくつかあるでしょうから解説していきます。

・個人店でありがちな大きさ18坪から20坪程度のカフェを計画した場合を想定してそれぞれの項目を導き出してみます。

店舗開発費25坪×80万/坪=16.000千円.
厨房機器2.800千円.
道具、食器等備品500千円.
その他(レジ・事務用品)500千円.
初期材料仕入れ200千円総計20.000.000-
人件費2.5人×2.000.000/人・月500.000/月
光熱水費150.000/月150.000/月
通信費30.000/月30.000/月
消耗品30.000/月30.000/月
雑費30.000/月30.000/月
保険料100.000/月100.000/月
交通費50.000/月50.000/月
家賃200.000/月200.000/月
借入返済金100.000/月(1000万借入10年返済)110.000/月
償却(5年)100.000/月100.000/月
固定支出合計.1.300.000/月
売上予測(35席2回転)客単価1.300×70人=91.000/日約2.730.000/月
材料原価(簡易計算)30%91.000×0.3=27.300/日約819.000/月
月の収支 2.730.000-1.300.000-819.000=611.000 ¥611.000-/月の黒字

この計算では毎月オーナーシェフの手元に¥611.000/月の金額が残ることになり、事業的にはとりあえず成り立つということになります。この金額は税込み、保険など引かれていませんのでオーナー手取りは40万/月程度になります。
この計画で何とか成り立つ程度なのですが、実際に客単価1300円を確保できて、かつ毎日平均で70人の客を集客し、オーナーシェフを入れて3.5人で回していける企画かどうかということになります。
そのために前項でもメニューは何なのか?集客性はあるのかなどが大きなポイントになります。ここで想定しているのは食事もアルコールも出すカフェで昼から深夜までの営業という前提で組んでいます。
それゆえ、客単価は内容次第でまだまだ上げられる状態ですが、とりあえず低めに設定してあります。

本日のコーチ:これらの計算を日売上を変化させながら他の要素も連動させてエクセルなどで作りますと、どのラインからデッドラインで、どのラインから優良な経営が出来るなどの判断をすることが出来ます。自分でエクセルの事業計画書を制作しますので、事業目標とその戦略づくりに役立てることが出来ます。自分でやるという事がとても大事な部分です。

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