コーチング_第4章_オープン後のチェック_005_ あなたは店の「カオ」なんです

D-005.あなたは店の「カオ」なんです
個人経営系のカフェではオーナーこそその店の「カオ」です。オーナーならではのフロア営業も出来ます。そのポイントを押さえて店のカオとして充分にフロア営業をしましょう。

●というより、あなた「が」店のカオです。借金して苦労していろいろ考え立ち上げた店のカオを他人に譲る必要が何処にあるのでしょう。もしくはカオナシにする必要が。
ちょっと前まで料理人は本当に「語りません」でした。語るどころか圧倒的に「話し下手」が多かったのです。何処の店に行って何を話しかけてもろくな返事をしません。関取か料理人かという感じです。おしゃべりな嫁やスタッフが居るとことさらです。午前中工房へ来て午後11時に仕込みを終えてあがるまで、お客と一言も話さない料理人がほとんどです。お客が料理人を見かけるのは、唯一デパート内のチェーン店が工房の壁をガラス張りにしているところやオープン厨房の店。まるで動物園の猿でも見るようにお客の子供がのぞいている、それを少し気にしながらもでもやっぱり何も語らず調理し続けるだけ。かと思えばテレビに露出し語りまくる職人は、料理人が見ても突飛で特殊なタイプばかり。

そして最近やっとバランスのとれた料理人が増えてきました。作れ、語れ、表現出来るタイプです。これらはどちらかというと「こつこつおとなしく長年修業タイプ」よりも「よっしゃー!俺は料理人になるぜー!短期間独学中心タイプ」に多いのでした。あなたはどうですか?俺の作った料理やスウィーツが店に出ているのだからそれでいいとか思っていますか。料理がカオだと思っていますか。パンが俺のすべてを主張していると。

では料理がカオであなたは黒子ですか?料理がお客にすべてを語ってくれると思いますか?料理人のことなどかけらも思い浮かばないし、故にあなたの思いは黙っていては伝わらないし、料理は饒舌になど語らない。
あなたの思い・理念・料理をあなたが語らずにどうするのでしょう。スタッフや張り紙が主張するよりも、あなた自身が料理を食べてくれるお客様に直接語るべきなのです。「私がこの手で作り出している料理はいかがでしょう」と直接聞くべきなのです。それを工房にこもりっきりでは何も伝わらないし、なによりお客様側のいろいろなサインもあなたに伝わらない。

スタッフに「お客さんがこんな料理ないの?と聞いていました」と言われるよりも、「お客様からこんな苦情がありました」と聞くよりも、あなたが店頭で直接お客様と話す方がずっと伝わる、いろいろなヒントを与えてもらえる。そして主義主張を伝えられる。 わざわざそれらすべてに耳をふさぎ、カオを無くしこもっている必要は何もない。たばこ一本吸いに裏に出るぐらいなら、禁煙してたばこ一本分でも表に出ましょう。仕事終わってから店に張る張り紙ちまちま書いている暇あったら表に出てお客と直接話しましょう。半年後にはすべてのお客様が店主であり料理人であり経営者のあなたのカオを知っているようにしましょう。道を歩いていても「あ、カフェの人だ」と言われるようにしましょう。あなたが店のカオです。

本日のコーチD-005
このコーチ100を読んでる人たちは上記のような人は少ないだろうと推察しています。自分でインターネットの記事を探してこの膨大なテキストを読む人なら、きっと店ができてもオモテに出て店のカオになっていくだろうと思っています。

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