コーチング_第4章_オープン後のチェック_009_アルバイトとパートさん

D-009.アルバイトとパートさん
アルバイトやパートさんは働いて「時給」をいただきに来ている人たちです。あなたも、「この時間帯に手伝って欲しい」などと、労働力を買い上げているわけです。間違っても「育てよう」などと思わず、採用基準は「即戦力」以外にありません。

開業したらどのような人数構成でやっていくつもりでしょう。ご自分は料理を作り、キッチン、ホールのスタッフを数人でしょうか。スタッフとして来る人はその仕事である程度の生計を立てようという思いでこられますので大抵開店日はすべて出勤の月給・固定給となります。ですからスタッフを多く雇うと人件費はてきめんふくらみますし、忙しさに波があるのに、一日中3人や4人を雇うことは出来ません。となるとやはりアルバイトやパートの方を数人雇い交代で勤務してもらい、忙しい朝や、昼頃の時間帯を補填する必要があります。またこの人材確保が非常に難しいのです。

1.忙しい時だけに出てもらう人材なので、なによりも動きの素早い無駄の無いてきぱきしている人でないと、よけいに手を取られるばかりになる。
2.時間が短く勤務日も少ないので、多くの収入を望む人は続かないし応募してこない。
3.時間帯の都合が良いからと主婦の方の応募が多いが、どうしても子供の病気や行事で休んだり突然辞めたりしてしまう。
4.雇われる側も「時給分だけ働く」と割り切っているのが常なので、お店に対する思いが希薄。
5. 自由でいたい(他にやりたい事がある)からこそアルバイトをしているので長く続ける人は少ない。
6.忙しい時間の補填故に突然の休みは痛手が大きいけれど、休む方は気軽に休みがち。

こんな風に、スタッフ以上に選択眼が必要とされます。短時間しか出られないけれどそれでもなんとしても収入を得たいと思う人で、出来れば柔軟性や発想力や積極性よりも「几帳面で言われたことをきちんとこなし時間を守る人」あたりを優先したほうがよいのです。

お店の為にこんな風にしたらどうか!こんな風にうってでましょうっ!などとあなたと一緒に考えてくれるのはスタッフに望み、アルバイトパートさんには「時間給分きっちり働いてくれる人」と割り切るほうが精神衛生上よいでしょう。

では面接時にどんなことに注意すればよいでしょう。とりあえず一番は「近くの人」。バスに乗ったり電車に乗ったりは論外です。たった3時間のためにバスに乗り続ける根性は通常人には無い。それに時間給以上の通勤費を払う羽目になります。アルバイトパートは必ず「徒歩圏」の人間です。これにはおまけも付いてきて、本当に人柄のよい人を選ぶと、ご近所さんゆえに「あら何々さんここで働いているの?」「そうなのよーまた来てね(^_^)」と口コミを呼びます。あ、もちろん反対に「ご近所の嫌われ者」を間違って雇うと痛い目に遭います(笑)。絶対奥様連中は来ません。100%来ません、どんなに美味しくても。次に家庭状況。主婦の場合は旦那さんが本当に賛成しているかしつこく聞く。そこに反対がにおう場合、大概続きません。申し訳ないけれど続きません。必ず近日中に「やっぱり主人が反対するので」と言います、請け負います。あとは子供さんが居る場合は、いざというとき他に手があるか。おばあちゃんが来てくれるとかその辺までも聞くべきです。何せその日のその時間に来てくれないと手が足りないのですから。「いいわよ、じゃ休んでください」と言うために雇うのではありません。この辺はシビアに。

後は今までどんな仕事の経験があるかをつっこんで訪ねる。アルバイト君やパートさんの唯一の「利点」は、今までいろいろな職業を渡り歩き「ある程度の事ならば」即日戦力となるという点です。今までカフェ・コンビニ・販売・接客・調理・肉体労働あれこれこなしていれば、初日からでも「いらっしゃいませー」と笑顔で声を出すことが出来ます。お客側が何を望んでいるか経験からある程度予測できます、次これをやればいいなと既に回路に入っているのです。それが(だけが)利点です。

アルバイトやパート教育に時間や労力を多大にかけるのは間違っています、それはスタッフに注ぎましょう。そういう意味で「販売はやったことありません」という人をアルバイトとして雇う意味はほぼゼロです。その人の「ドキドキの初めての販売」につきあう悠長さは持たなくていいのです。「即戦力」「実践力」が忙しい3時間に欲しいのです。この三つに気をつけて後は「一人で判断しない」。嫁が居るなら二人で面接する。男には女が見えないし、女には男が見えにくいのです。あなたが「いいじゃんあの子」といっても奥さんは「・・絶対なんか変」と言うかもしれません。二人ともが「いいんじゃない?」と思えることを最低ラインとしてください。

ま、そうはいっても雇ってみてびっくりというのは常です(笑)。「おいおい」「ありえへんやろ」ということを何度も経験し、数をこなして精進していきましょう。とりあえず「バイト君とパートさんは常に入れ替わる」と割り切っておけばすこしは気が楽です、残念ですが。 「根付かない人」とかいて「バイト君」と読むのです。

本日のコーチD-009
パート・バイトは即戦力以外は意味がありません。それを望む(パート・アルバイト)方々は、そう割り切っていますから。

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