離島における建築システムを確立いたしました
離島における建築には大きな課題がありました。
課題1.離島では「輸送」に伴う「輸送経費」が大きく、建築時の単価に大きな負担がかかります。この負担を少なくするための方法の確立が求められていました。
課題2.建築関連の「専門職人」の絶対数が少なく建築時の職人不足が常に課題でした。職人不足によって建築時の施工期間が長くなったり、あるいは建築時に「専門職人」を送り込む事も必要な場合も多いのです。
建築時の課題の軽減システムを開発いたしました。
課題の軽減の方法
1.建築躯体を「船舶」で輸送可能な「海洋輸送コンテナ」の寸法体系を持つ「建築用コンテナ」を開発し、船舶による建築躯体の輸送を可能にする。
2.その建築用躯体のコンテナの中に「建築資材を梱包」し、「輸送経費」を最小にする「パッケージディール」方式を採用する。
3.プレファブリケーションされたコンテナ躯体を使う事により「建築職人」の工数を圧倒的に低下させ工数の低減と工場生産部分のパーセンテージを上げ、質も同時に向上させる。
上記を可能にするために必要な要件
1.海洋輸送用コンテナのレギュレーションに沿った「建築基準法をクリアするコンテナ躯体の開発」
建築用コンテナの開発
コンテナ型建築躯体の「連結」システム等のシステム建築としての確立
20FEET_コンテナのディメンジョンをベースにした「連結システム」の開発とシステム化
⭕️石垣島宿泊施設を例に取り上げます。
下図は建築部分の全体像のアクソノメトリック
計画を示す敷地への配置平面図
建築用コンテナとそれを展開するシステム部材を表す構造体の図001
建築用コンテナとそれを展開するシステム部材を表す構造体の図002
これらの開発によって「離島建築」を実現可能なシステム建築を確立させた。
その商品化によって実現した「沖縄県石垣島」における「宿泊施設」の実現。
もちろんこれは「住宅建築」としても使えるシステムである。
完成した建築の外観写真001
完成した建築の外観写真002
完成した建築のインテリア写真001
完成した建築のインテリア写真002
完成した建築のインテリア写真003
完成した建築のインテリア写真004
完成した建築のインテリア写真005
完成した建築のアウトドアデッキ&プール写真001
完成した建築のアウトドアデッキ&プール写真002
完成した建築の洗面・トイレ・ユーティリティー写真001
完成した建築の遠景外観写真001
建築のプロセス
離島建築システムの建築プロセスは以下のように進められる
1.建築物の総合的設計
2.建築用コンテナのその物件への最適化設計(最小のコンテナ数で最大の展開)
3.建築用コンテナとその他パーツの製造
4.建築用コンテナに他の必要展開パーツをパッケージングする
5.コンテナ船(または最終はフェリー)にて建築する島嶼への輸送
6.コンテナトレーラーにて建築地に輸送
7.現地での設置と展開、内装工事・設備工事等の施工
8.完成
今回物件では4台のコンテナで178.6㎡の建築物(延べ床面積)と
(20FEETコンテナ1台では13.3㎡。つまりコンテナ4台で13.4台分の面積の建築物となり、3.35倍の面積に展開した)
コンテナ1台で、2機のプール(組み合わせると20FEETコンテナ1台)を設置。
輸送費換算としては、20FEETコンテナ9.4台分の輸送費をカットした事になり、
躯体のプレファブリケーションによって多くの建築職人の工数をカットすることが出来た。
事実178.6㎡の宿泊施設(登録はホテル)を4ヶ月という短い工期によって完成できた。
この離島建築システムはやはり同じ課題を持つ「過疎地建築」や比較的郊外や、逆に山奥や人里を離れる事を望む「別荘建築」などにも利用出来る。
経済的理由で日の当てられなかった地域のニーズに応えることが出来る、社会的意味のある建築システムを完成出来た事を喜ばしく思っています。
株式会社IMCA(現代コンテナ建築研究所)
この離島建築システムが完成するまでに幾つかの「プロトタイプ」としての実績も重ねてきました。
例_001_奥伊勢ワンズラフ(グランピング_宿泊施設)_(過疎地建築)
例_002_離島建築 沖縄県南城美術館(附属CAFE棟)
例_003_離島建築_沖縄県久米島_住宅
例_004 _離島建築_沖縄県宮古島RAKUTEN 宿泊施設
例_005_過疎地建築_信州山荘_住宅
最新取り組み「離島」物件(2023/06)
宮古島市伊良部島_「宿泊施設」2戸