コンテナハウスバイブル_003_コンテナの寸法体系を教えて?(専門家向)

コンテナハウスバイブル_003_コンテナの寸法体系を教えて?(専門家向)

海洋コンテナの一般的サイズは長さが2種類、高さが2種類。
その組み合わせでコンテナのサイズは結局4サイズがあります。

それらは
1.20FEET_normal  幅2438mmX長さ6058mmX高さ2591mm
2.20FEET_Hi_Cube 幅2438mmX長さ6058mmX高さ2896mm
3.40FEET_normal 幅2438mmX長さ12192mmX高さ2591mm
4.40FEET_Hi_Cube 幅2438mmX長さ12192mmX高さ2896mm
の4種類が日本で使われている主な寸法です。

さて上記は外寸です。この外寸は守らなければなりません。そしてコンテナとして運ぶためのいくつかの緊縛用ホールなどが付いています。40FEERTにいたっては「グースネック」という、やはりトレーラーのシャーシー上で固定するための「トンネル」などがあります。中国ではこのトンネルはなくても運べますので、中国の工場のスタッフはこのトンネルの事を身に染みて大事だと思っていませんが、日本ではこのトンネル=グースネックがないと、40FEET用トレーラーに載せられませんので注意が必要です。

グースネックも持って、輸送システムに乗せられ、建築用に使える構造体を設計してください。でなければ「港」で立ち往生いたします。

とりあえずISOコンテナの40FEETの図面は下記のようなものです。(建築用ではありません)
輸送に関する要件はこれらの中の要素も持たねばなりません。
いや、じっと見てると「建築」になんか使えるわけないよなって感じです(爆)。

ISO_40FEET_container_Hi_Cube

でもまあそんなわけで、このような寸法体系の中でシステム建築を考えるというのが、新たな価値を生む事になります。

さて上記のように海洋輸送用の寸法は一般的に使われるものは4種類です。
当社では上記のどれも作れますが
最もポピュラーなのは20FEETのHi_Cubeタイプです。
場合によっては20FEETの_normalも使います。
40FEETでは_Hi_Cubeタイプのサイズを使うことが多いです。

日本の建築基準法では輸送用のISOコンテナを使うことが出来ないので
実際には全て建築用のコンテナを設計から起こして作る事になるのですが
サイズは「コンテナ船」で運び、コンテナトレーラーで運ぶ事にロジスティクス上のメリットがありますから海洋輸送用のコンテナのサイズで作ります。
でもこの事は「世界につながる道がある」という素晴らしい事でもあります。

20FEETが多いのは、実は40FEETの長さがトレーラーに載せて運ぶ時にはヘッドを入れますと、16M程度の長さになり、一般的な物件を作る場所(敷地)に搬入することが難しいことが多いからです。その点20FEETは、世田谷の街中などなかなか道の狭いところでは無理な事もありますが、概ね運べることが多いです。それでも専用トレーラーでは難しいケースもあり、色々と工夫はしないと実際に建築する際には色々な障壁が出てきます。

日本の道路交通法では3Mまでは一般道を走れますが、特別な許可が必要になったりします。

container

上記のようにその繋ぎ方に色々な工法を編み出しているので単純にモジュールの寸法の倍数ということはないのです。それにまた、20FEETに限った話なのですが、コンテナを横倒しにしたプロポーションや、縦型にしたプロポーションで使う方向で作る事も出来るのです。
これは当社が開発した手法なので、他社でやっていたとしたら当社の真似事という事になります。

ガレージ

上記で解説した繋いでいく工法には「ハイブリッド工法」と「イクステンション工法」という当社独自の工法があります。ハイブリッドは下の写真のような方法です。コンテナとコンテナの間を離し、それらを鋼材で繋いでいくのです。寸法の自由度も確保しながら、コンテナ数を減らしてリーズナブルな物件として仕上げる事も出来ます。

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イクスパンション工法とは「端部」などに鋼材を繋いで「ガレージを作ったり、倉庫を作ったり」する方法です。構造的に限界もありますが、ちょっとした増床などに使う手法です。

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現代コンテナ建築研究所では、このコンテナのモジュール体系をベースに「システム建築」としてシステムを構成しています。「単発」のコンテナでは「建築物」として終わらせるにはあまりにも面白い世界なのです。