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束縛という言葉の反意語は自由だ。また、全ての色(イロ)に「補色」という、コトバにおける「反意語」のような逆説色が存在する。カラーサークル(色彩環)では、ちょうど180°反対側に位置する色同士だ。そしてそれらはお互いの言葉や色を補足し、その意味を深く掘り下げるきっかけや、加速させるアクセラレーターとなる。空間の表現においても、その効果と手法は成り立つ。
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鉄壁の守りと解放。きわめて反意的なこのコトバは、情念の緊縛と解放が紙一重である事を示す。
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守りと解放は常にアンビバレンツな空間として存在する。
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ヘンゼルとグレーテル。欧州の森が好きだ。樹影深きその結界にも似た明と暗、善と悪、光明と暗闇、暴露と隠密、解放と禁固、爽念と邪念、攻撃と守備、フカイフカイモリノナカカラデテイクノハイマダ。
存在とは、反意的な拮抗空間の中にある事を納得させる。