当社の若いデザイナーがデザインした「Rの壁」に使われたガラスチューブと「砂」。砂の種類によってなにがしかのメタファーが表現されている。これは診療所の内部にある壁であるが、その診療所は別所で7年間診療を行ってきたが、移転をし、新たな診療所に移転する。その移転先の新診療所の壁のデザインである。過去の7年間の診療の時間を「砂(砂時計)」と地層のような「重なり」で表現しているようにも見える。自然素材にこだわったこの診療所では化学成分を出来るだけ持たない建材で作り込んである。白いインテリアの中にこの壁だけが「自然」の素材の色を持っている。
砂もガラスも、表現を変えれば違った見え方をしてくる事を知らせるデザインでもある。地層をガラスチューブで切り取ればこのようなサンプルを作れるかも知れない。その事を設計家たちは知っている。なぜなら地質調査時のボーリングをしたときの「地質見本」で記憶があるからだ。
コンテナボックスも、連結をし、積み上げ、空間に機能を与えれば違った見え方がしてくる。輸送用のボックスが建築空間に変わってくる。そしてより完全に建築基準法をクリア出来るようにシステムアップして、製造環境を整え、使用材料を遵法化し、構造的な最適化をしていけば「システム建築」となる。
見る場所、立ち位置、考え方、使用方法の転換は、「モノ」に新たな側面を作り出す。