コンテナハウスはコンテナっぽくない時もある

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コンテナハウスはみな「コンテナ」っぽいかというと、そうではない作りも簡単だ。

仕事が詰まって、スタッフ共々ドタバタと仕事をこなしているときも活気があり、何かが作られて行く様をそのまま表していて楽しい。また同様に、あるいは反対に、少し目の前に迫った仕事の事を忘れて、一人でアトリエで勝手な仕事をしている時が最も心地よい。(それでもやっぱ仕事してるのか・・・)。

建築は実はテクストだ。「最も文学に近くて遠い物理的構成物のレトリックの世界」だ。つまり建築物を造る事は「物語を書く事」に概ね等しい。それは「ある一つの世界」を描く事になる。独立した物語りなのか、周りの状況に溶け込んで行く環境一体型の拡散型世界なのかそれは設定によることになるのだが、建築家の作業は小説家のそれに似ているように思えるのである。

構成の方法をよく、言語論的アプローチ、あるいは構造主義的アプローチを試みる。一方で建築も総合芸術の一つのジャンルであり「わたくしたちの中に潜む自由な表現の発露」を具現化する事が建築としての表現の一つであろうとも信じている。その構成のアプローチやマニエラが仕事の質を決定づけるものでもない。

アートとして考えた時、クライアントの存在が消失してしまう。故に昨今の私どもの仕事は「作品」ではないと考えるのが正しいし、「私どもは作品主義ではない」と公言している。つまり仕事に関しては「顧客主義」を貫いている。しかし、気弱な言い方をするならば「アート的要素」には建築は満ちていて、その要素を抜きに仕事に臨むことは出来ない。

一人だけのアトリエでは、時間すら自由に流れて行く。流れて行っていつの間にかなくなってしまうが(爆)心地よい倦怠感の中で、あんなことや、こんな事(謎)を考えていると、明日への希望や勇気やアイデアが生まれてくるのである。

話はもどり、コンテナっぽくない作り。
アノニマスに近いリージョナル建築デザインコードをいかに自分の中で消化し、人のために仕事の中に埋め込んでいくか。そのコードは、ギリシャ(爆)。ミコノス、白&ブルー、しっくい、手作業、まあるいデティール、地中海イメージ。そんなシナリオを経て出来たのが、外壁を覆い隠し、モルタルで塗ったこのコンテナハウス。そんな事も出来るのである。

コンテナハウスと宿泊施設 「リゾート的宿泊施設」

コンテナハウスとマッチングのいい業種の中に、「リゾート的宿泊施設」があります。

その理由の筆頭は外観やインテリアデザインの
1.「非日常感」です。
次に考えられるのはそれらが設置される
2.「敷地の場所」に対する「設置の容易さ」です。
建築物は50%以上が工場において組み立てられているので、現場での施工ウェイトが在来工法よりも少なくなります。それゆえ建築職人の少ない「リゾート地」では施工性に関するアドヴァンテージが高くなるのです。さらに「事業性のある施設」ゆえの
3.「建設期間の短さ」なども挙げられます。事業決定してから完成までが一般建築の工期よりも3ヶ月短いとすれば、売り上げは3ヶ月早くから立つのです。建築確認申請が始まる時点から工場での生産が可能である事、上記の施工性の容易さから総合的に工期は短くなります。

日本国が「観光立国」を目指す話は10年前からありましたが、にわかには信じられない話と思っていたのですが現実に海外からの「観光客」は右肩上がりを続けていますね。

国民自体も、また地域を活性化しようとする行政や地域の方々も「観光」に力を入れ「地域文化」を改めて掘り起こす試みや、地域の名産、特産、特色づくりに熱心になって来ています。
「とりあえず海外旅行」という雰囲気は消え、DISCOVER JAPAN的な旅行も増えているのは事実です。

宿泊業を営む方々からの「コンテナハウス」への関心は高まり、コンテナハウスの現実の建設戸数は実際に増加し、その比率は高まっています。

ちなみにその他の注目ジャンルは
コンテナハウスのカフェ・飲食店
コンテナハウスの別荘
コンテナハウスのガレージハウス
コンテナハウスの美容室

などが注目度が高いですね。
しかし、美容室だけは実施件数が少ないのです。思ったより建設コストがかかるということのようですが、他の工法より高いということはないのですが、美容室は設備工事比率が高いので、総合的にはなかなか建設費がかかります。安心安全の建築物が圧倒的に安い工法などなかなか出てきそうにありませんですから、どうしても必要なところは省くわけには行きません。
もし今後の時代で期待できるとしたら「3Dプリンター建築」に少し期待が出来るかも知れません(爆)

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コンテナハウスと演出論

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「演出」という概念はデザインの世界の場合しばしば使われる。
「デザインの世界」には裏に潜む力として「象徴力」=「サンボリスム(仏)」のチカラが潜んでいるからだ。「何かを象徴的に表す力」のことだ。その「何か」を選択しながらデザインは進められる。

その選択を確かなものにする為に「デザインコンセプト」を決めて作業は進められる。デザインで目指すテーマの事だ。デザインコンセプトによってデザインのシナリオが決められて行く事になる。

商業的な話の場合は実はこの事は比較的進めやすい。目的がはっきりしているからそのデザインコンセプトも比較的照準を絞り決めやすいからだ。

しかしながら「ハウジング」の場合は少々難航する。住むのはクライアントであるあなた様方。「わたしどもの知った事ではない」からだ。もちろんプロフェッショナルとして進言させて頂く事は沢山ある。環境要素や、修景要素、利便性、快適性、空間的要素による雰囲気の変化、照明計画による演出性、消費電力に関わる話、等々枚挙にいとまはない。

比較的、社会性のある外観などは社会的な要素も鑑みながらお考え頂きたいとは思いますが、あなた様のご自宅ですから、お好きなように考えてください。
それをお手伝いする仕事ですから、手助けしながら考えるのはいっこうに構わないのですが、「こんな感じ好き」「こんな感じも好き」「一方でこんなのもいいんじゃないかな・・・」
さて迷路に入り込みました。それを整理するのが「デザインコンセプト」です。まあ、言わばあなたの「デザイン憲章」みたいなものです。

ただし「こうしなければならない」という事もない。例外のある憲章を作れば気が楽にそして纏まりのあるデザインにしていけるでしょう。

やがてSITEに「住宅デザインの進め方」でも掲載しましょう。

ヘビーメタルスタジオ付コンテナハウス

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写真はアルマーニイクスチェンジだが、ヘビメタの雰囲気を出す為に掲載した。

今度日本に居住する米国人の為の住宅を設計する。
ご夫婦だが旦那が「ロッカー」しかも「ヘビメタ」のロッカーだ。思う存分練習が出来るスタジオも欲しいらしくその依頼も含まれている。

普通の外観では飽き足らないのでと、御本人がレイアウト図面迄準備してきた。
コンテナハウスは防音室として可能かどうかという相談も含まれていた。防音は音レベルの「制振技術」でもある。音のインシュレーション技術についてのノウハウは、実は「船舶内装」の技術の中で大きく進んだ事をご存知だろうか。

船は水中のプロペラで水の流れを作りその推進力で進んでいるのが一般的な方法である。このプロペラで水をたたく時の水圧の変化が船体に伝わり、大きな音を出す。なにせ、巨大タンカーなどになればそのプロペラの直径は数メートルにもなり、それを回すエンジンの出力など27000馬力という途方もない力だ。そのエンジンの振動もものすごい。当社は「船舶内装」のノウハウを持っている。音としての振動の制振技術に関してもプロである。

ご存知のように「振動」は騒音である。その騒音を止めるのは「制振技術」という事になる。
実は「音」レベルの振動の制振技術で最も効果があるのは「重さ」である。重さは「振動エネルギー」を大きく減衰させる。そして次にその振動を伝えない「柔らかさ」も大きな武器になる。

その両方を使って音をコントロールする。
出来上がったらその効果をお伝えしよう。

料理は建築だ。そしてコンテナハウス。

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料理という世界は実は建築の世界に似ている。

根幹を形成する「基礎」があり、料理の世界ではそれは「出汁」であり、基礎の上に構築されて行く構造物は、料理でいえばその料理を構成する素材のストラクチャーだ。デザイン的な処理は、料理でいえば見目麗しいビジュアルである。

話は少々ずれるが、
この写真の野菜達は実は「コンテナの中で栽培される」=「コンテナ型野菜工場」で作られる野菜達である。クリーンルームで育てられた「きれい野菜」たちだ。洗わなくても心配するには及ばない。

台風が来ても、冷夏でも、猛暑でも、厳冬でも生産効率は落ちず、安定供給が出来る。
もうすぐデビューさせる「コンテナ型野菜工場」は、既に生産のノウハウを固め、安定供給をし、市場に出回らせているある企業が行う。私どもはそのコンテナを、また新たな構造方式(ハイブリッド構造体)で作り上げる。もうすぐ発表、新たなコンテナハウスの世界。このコンテナハウスはコストへの挑戦でもある。ただし「4号建築専用躯体」、ちょっとみそっかすの小建築用だ。

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栽培されたアイスプラント。シャキシャキ感がとてもいい。ちょっと塩味がある不思議な野菜。

2020年。年の初めに。コンテナハウス回想。

「コンテナ」をテーマに建築を初めてかれこれ20余年が経つ。その間大きな動きは平成19年の建築基準法改正の時だ。建築基準法は厳格化され(まあ、いい事だと思っている)、大きく世の中建築業界はシフトした。

その時に概ね「コンテナ」は使えなくなった。法37条の「JIS鋼材を使うべし」という部分でだ。いや、正確にはもっと以前からそうだったのだが、とやかく言う人は少なかったので何となくコンテナ建築というのは存在したのだ。作り始めてだんだん気づいて来たのだが、実はコンテナの有用性は一見LOHASな「中古利用」というリサイクルなメリットよりも、輸送用コンテナが築いてきた「世界中へのチェーンロジスティクスのメリット」の方が建築に取ってきわめて大きいという事実だ。

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その事は、建築の世界ではかつて「メタボリズム」というムーブメントがあった。『メタボリズム1959年黒川紀章菊竹清訓日本の若手建築家都市計画家グループが開始した建築運動。新陳代謝(メタボリズム)からグループの名をとり、社会の変化や人口の成長に合わせて有機的に成長する都市や建築を提案した。』(WIKI)

建築を学んできたものであれば、日本の建築家たちが生んできたこの概念が建築にとって大きな可能性を秘めている事を知っているだろう。そしてコンテナのロジスティクスを活かせれば、メタボリズム建築の可能性がかなり広がる事に気づくであろう。

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その実現化に向けてゆっくりとだが確実に近づき、システムを築き上げてきたのが当社のシステムだ。ハードルはいくつもあった。日本の建築基準法は極めて厳格だからだ。海外との協調でそれを超えて行くには強い意志が必要だ。

そのシステムは完成した。

サービス付高齢者専用住宅とコンテナハウス

ジャパンシンドロームとコンテナハウス

超高齢者社会がやってきた。ジャパンシンドロームというコトバが生まれ、世界の先進国が、やがて自分の国にもやってくる状況として、日本の行く末に注目している。

高齢者の社会福祉についても色々な施策がとられているが、老人介護系の一つの取り組みとして「高齢者のための住居」を何とかせねばならないという取り組みの中に「サービス付高齢者専用住宅」というものがある。
ある基準をクリアすると国からの補助金も拠出されるという世界でもあるが、この「基準」をクリアさせてご高齢者用の住宅を設計すると、補助金で助けて頂きながら設計した物件でもなかなかの高級住宅になり、一般的な高齢者で「年金」などが生活の糧という方にはとてもじゃないが入られる家賃ではなくなる。

国の施策は間違っているのである。補助金などいらない、ある意味ご高齢の方にはこの程度の住宅を準備してあげたいという指針はいいのだが、現実に則していなけれ施策の意味がない。事実多くの「サ高住」に空き部屋が出ている。この「サ高住」はそして「デイサービス施設」などと連携されている必要がある。ただ住まわせるだけでなく、適切なデイサービスなどと組み合わされて、高齢者の生活のノーマライゼーションに寄与し、国家の福祉予算を低減させる効果を生み出さねば本来のこの施策の意味がない。

建築としての結論。
年金や生活保護で入所する事が出来、居住生活だけでなく、デイサービスなどの老人介護も受ける事が出来る施設の開発をせねばならない。これは非常に急務なのだ。

そして、そのソリューション。
ここでコンテナハウスが登場する。このサイトをご覧になっている方々は、当社のコンテナハウスが決してバラックなどではなく、「何処までもハイエンドなものまで作り込む事が出来るシステム建築」だという事を理解して頂いているだろう。そのひとつの解として当社は量産型「サ高住ユニット」をデザイン中だ。
少々細かな要求は聞きづらいが、画期的ローコスト専用構造体に、必要で充分な機能を搭載し、年金でサービスを受けながら生活が出来る。人間の尊厳を持ちながら人生の余韻を楽しむ事が出来る居住ユニットだ。

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組み合わせの妙もコンテナハウスならでは

コンテナハウスの一つの魅力は「組み合わせの妙」です。まるでレゴブロックを組み立てて行くように色々な構成を考える事が出来ます。

当社のコンテナは既に「システム建築」として開発されていますので、その事(組み合わせ)にとても自由度を持った設計思想で作られているところがそれをサポートします。

コンテナのユニットは必ずしもきっちり並べて行くだけでなく、コンテナとコンテナの間の空間を調整する事によって微妙な寸法にも対応する事が出来ます。このテクニックが敷地を上手に使いながらプランも自由自在に作り出す基本となっていきます。

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20FEETX7本で構成されたこのガレージハウスは1階に20FEETが縦に、20FEETの横幅をあけて配置され、2階に横向きにしたコンテナを4台90度振った状態で載せてある。

この1階の空隙が「ガレージ」として2カ所、シャッターがついている部分が「コンテナの空隙」の場所だ。空隙と言っても20FEETコンテナ2台分以上の空間があり、総合では13本分くらいの床面積を7台で作り出している事になる。

面積がある分それなりの建築費だが、坪単価で言うと、重量鉄骨なのに60万円台の工費だ。(2階の内装はクライアントのセルフビルド)

組み合わせのパターンは今までに色々と作ってきたが、無限に考えられる。比較的クライアント自身も参加出来る作業でもあるので、クライアントも楽しんで計画に参加してくれる事もある。

ハイブリッド生命体

コンテナは与えられたものではありません。
20世紀最大の発明の一つに数えられる「コンテナ」は一つの「概念」として生み出されたものです。もともと海洋輸送用に計画されたこのコンテナという概念は「物流の世界を激変」させ、もう一つの20世紀最大の発明「インターネット」と同じように世界中を席巻しました。当社はこの「コンテナの概念」をしっかりと抑え、今度はコンテナの世界と「日本における建築基準法の概念」と重ね合わせ、ハイブリッドな世界「コンテナ型建築構造体」を作り出したという事です。

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世界最大のコンテナ船(EMMA MAERSK)     コンテナはこの船会社の発明とされている

物流の世界の「貨物そのもの」の一つに「建築資材」のジャンルが大きく締められています。建築物はフィジカルなカタチと重さを持った実在として構築されて行きます。当然それらが運ばれて行くとき「コンテナ」に入れられ運ばれるシーンはとても多いのです。

コンテナハウスの一つの概念は「建築資材を極力無駄に運ばず作り上げる」事も思想の一つに入っています。工場に集中して資材を集め、アッセンブリーした後に「コンテナそのものとして建築のユニットを運ぶ」事によって、無駄な動きをセーブする事が出来るようになります。結果として「物流コスト」の低減に役立つ事が出来るのです。

サスティナブル建築としてのコンテナハウスはそんな部分でも参加しているのです。
コンテナのロジスティクスシステムを利用しながら建築を作るという概念まで気づいている方はコンテナハウスの世界ではまだ少なく、当社はその概念を広げながら新たなジャンルの建築システムを完成させて行こうとしています。

移設可能カフェ_一つの定番プラン(20FEET_highbrid_plan)

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コンテナハウスでカフェをやりたいという希望は多い。
比較的ローコストで建設出来そうだということと、敷地の状況、廻りの環境が建設時と変わって、立地として適当でなくなった場合に移設が可能かも知れないという期待、あるいはそのビジュアルも、ある種のテイストのカフェには適当ではないかという期待からだと考える。

この例はかなり積極的な意味で「可動性」に期待をされている。実際に3〜5年程で他所に移設の計画があるからだ。その時の再生率は金額にして70%程度。さすがに地中埋設分の基礎や設備は持って行く訳にはいかない。

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プラン的には20FEETのコンテナを両脇に配し、その間を梁で繋ぎ、在来工法で屋根を掛けコンテナ間も室内化している。
これによって、コンテナは2本しか使っていないが、4.5本分の空間を創り出している。
すなわち、2.5本分はコンテナを使わずに空間を創り出している。4.5本使うよりも少々ローコスト化は出来る。

それに加え、カタチとしての変化もつけられるのでデザイン的にも面白い効果が出せる。
開放的な大空間が出来る事もそれを助ける。

我が社ではこれを「ハイブリッド工法」と呼んでいる。工期は約3週間。
すべてコンテナで作るプランよりも、現場工事が増えるので少々工期はかかるが内装工事並みの工期である。工事費も内装工事並みである。

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