人はなぜコンテナハウスを建てたいのか

なぜ人は“コンテナでを建てたい”と思うのか?四半世紀以上コンテナ建築をやってきて、そして今「コンテナハウスの歴史」という本を書いていて、ようやくわかった。
話をわかりやすくすると「ロック」と「レゴブロック」の間にある建築衝動について語ればいいということもわかってきた。

無骨な鉄の箱に、なぜか惹かれる
いつも、面白い相談が舞い込む。それを仕事としていますが
「コンテナで家を建てたいんです。」
「お店をコンテナでやってみたい。」
しかもこれは都市部だけではない。北海道から九州、離島まで、各地に“その気のある人”が一定数存在している。
彼らに共通するのは、合理性よりも“感覚”を先に口にすることだ。

「なんか、あの感じがいいんですよ。あの、無機質な……」それはきっと、港に積まれたコンテナの風景が、どこか“反骨”や“孤立”といった言葉を連想させるからだろう。

誰とも違う、自分だけの空間を持ちたい。そんな欲望が、あの鉄の箱に投影されている。彼らは皆、どこか「自分の拠点」を求めているのだ。

そこには「ロック」の匂いがする。流行でも制度でもなく、“好きだからやる”。鉄の塊に暮らしを持ち込む。それはちょっと乱暴で、不器用で、でも確かに“かっこいい”。

制度ではなく、「世界観」をつくるために建てる。とはいえ、現実は甘くない。日本の建築制度では、コンテナはそのままでは「家」にはできない。建築基準法第37条に定められた「材料規定」により、構造材としての品質や性能が求められ、海外製のISOコンテナがそのまま使えるケースはない。

断熱、構造補強、基礎工事、そして行政との協議。ありとあらゆるハードルを超えて、ようやく“建築”として成立するのが、コンテナハウスである。でも、それでも人はやるのだ。制度的に苦労があることを知っていても、「それでもやりたい」と思ってしまう。

それはなぜか?その理由は、“合理性”では説明できない。「建てる」という行為を通して、自分の“世界観”を表現したいのだ。むしろ建てたあとの住まい方、暮らし方までを含めて「ひとつの表現」なのだ。

コンテナの中にアナログレコードを持ち込み、アイアンの什器を置き、裸電球をぶら下げて暮らす。それは自己演出ではなく、自己信念の環境化だ。つまり「自分の物語に合った舞台を、現実世界に作る」行為なのだ。

レゴブロックとロックンロール
コンテナハウスという言葉の中には、「レゴ」と「ロック」が同居している。レゴは言うまでもなく、組み立てる楽しさと論理性の象徴だ。モジュールを並べて、積んで、組み替える。合理的でありながら、無限の創造性を持つ。

一方のロックは、衝動的で、反体制的で、直感的。社会の枠組みを少し斜めから見ている。コンテナ建築には、この両者が奇跡的なバランスで同居している。決められたサイズ、決められた角。世界中の物流と互換性のある“完全な規格品”でありながら、
その中に「自分だけの不完全な生き方」をぶち込むことができる。

それはまさに、「JIS規格にロック魂をねじ込む」行為なのだ。現代建築で、これほど両極を併せ持ったものは、なかなかない。しかも、それが“家になる”という感動は大きい。ブロックのように積んで、自分で運んで、自分で改造できる。家というより「基地」に近い。誰かの評価や不動産価値ではなく、自分の物語をそこに宿らせる。
コンテナハウスは、いわば“生き方のプロトタイプ”でもある。

「建てたい」のではなく、「生きたい」のだこう考えると、やっぱり結論はこうなる。人は、コンテナで“建てたい”のではない。
コンテナで“生きたい”のだ。その人の生き方や表現したい世界観が、コンテナというモノに託されている。デザイン性や構造技術の話ではなく、自分の思想を“鉄の箱”に封入して、世界に向けて存在を表明する。

それは、設計図というより、ライフスタイルのマニフェストだ。私たちIMCA(現代コンテナ建築研究所)は、そんな想いを「建築」というかたちに翻訳する技術集団でありたいと思っている。それは、図面を引くことでも、構造計算をすることでもなく、「その人の生き方の容れ物を共に考える」ことに他ならない。だから、また誰かが口にする。

「なんか、いいんですよね。あの感じが。」それで、いいのだ。その“あの感じ”の正体こそが、きっとロックであり、レゴであり、あなた自身の旅の始まりなのだから。

ということに気がついた。四半世もかかりましたけどね。

八丈島で、コンテナのカフェをひらくという生き方

島と、鉄と、珈琲と。

八丈島で、コンテナのカフェをひらくという生き方

東京から南へ、およそ290キロ。黒潮に抱かれた火山島、八丈島。そこに一つ、錆びた鉄の箱を置いて、珈琲を淹れる。それは、小さなカフェのはじまりであり、一人の人間の「暮らしを変える」決意のしるし。

「海のそばの、小さな場所があればいい」

たくさんのものはいらなかった。高いビルも、満員電車も、目まぐるしい日々も。ただ、潮の匂いのする風と、朝一番の光と、挽きたての珈琲の香り。それさえあれば、自分はちゃんと、生きていける気がした。コンテナは、そんな思いを受け止めてくれる器だった。20フィートコンテナを手に入れて、八丈島へと運び入れる。台風にも耐えるしっかりとした構造、断熱と開口部の工夫、手をかければ、暮らしと仕事を支える空間になる。

なぜ、カフェなのか?

一杯の珈琲には、不思議な力がある。知らない人と人を、静かに近づける力。都会の喧騒を、ふっと忘れさせてくれる力。そして、島という時間の中に、ちょうどいい間(ま)をつくる力。八丈島の朝に、夜に、雨に、光に。珈琲はよく似合う。それを知っているから、ここにカフェを開こうと思った。

「特別な観光地」ではなく、「ふつうの居場所」として

派手な内装も、凝ったメニューも、いらない。海から帰ってきた地元の人が、ふらりと寄れる。たまたま旅に来た人が、ちょっと立ち止まれる。そんな“静かな第三の場所”を、目指している。店の名前は、たとえば「Shima no Tetsu(島の鉄)」とか。無骨でいて、温かい。

そんな佇まいが、この島にも、自分にも、ちょうどいい。

コンテナのカフェから、世界は見えるか?

狭い場所に腰を落ち着け、島の空と風を感じながら、お湯を沸かし、豆を挽く。その一つひとつが、かけがえのないz間になる。何もかもを所有しなくていい。小さな建物、小さなメニュー、小さな稼ぎ。それでも、この八丈島の風景とともに、暮らしを自分で選び続ける。それがきっと、何より自由な生き方だと思う。

海の向こうに背中を預けて。鉄の箱の中で、今日も一杯、珈琲を淹れる。

離島建築のもう一つの方法

当社の離島建築には「2種類」のタイプがあります。
一つは「コンテナの中に展開用の鉄骨を格納」し、徹底的に輸送費を低減させ、現地で展開拡張するタイプ。

もう一つは「徹底的に仕上げて輸送」し、現地での工数を徹底的に低減するタイプの二つです。

ここに掲載しているものは「後者」の徹底的に仕上げて運び原始の工数を低減させるタイプ。

どちらも離島に対してコストの低減を図るタイプです。工期は後者の方がさらに有利ですが、大きめのタイプには不向きです。コンテナ1台から2台のプランに最適。

仕上げて運ぶ「離島建築」のタイプもスタートしましたのでどうぞご用命ください。

コンテナハウスを作るということ

鉄の部品を作ってそれをアッセンブリーして行くのですが、作り出すものは「鉄の集積」ではなく、人が住む住空間なわけですから、その中で気持ちよく過ごせなければならないわけです。当たり前ですね。

この物件の現場工事も間もなく始まります。YouTubeに記録していきますから「YouTube」も見て、「こうやってできて行くのか」と言うのをトレースしていただけますとウレシイです。今は、最終的な空間のテイストを考えながら、仕上げの方法などを考えていきます。

YouTubeも全く宣伝はしていませんが、ジワジワご登録いただいている方も増えてきました。どんなコンテナハウス屋さんより面白い記事で溢れていきます。だってコンテナハウスのストーリーテラーは現代コンテナ建築研究所しかありませんやん。

もう少ししたらArtist_Akiko_Iwaiがナレーションする「コンテナハウス講座」も始まります。

どの物件でも、設備も快適であれば嬉しいですから、その事も考えます。鉄のアッセンブリー図には出ていませんが、この物件はプールもつきますので、その演出方法なども考えています。

鉄のような硬いものを扱いながら、作っているものは空間のSOFTなのですよね。

溶融亜鉛メッキのコンテナハウス_パーツ

サーファーの家。
きらめく鉄のパーツたち。

海が近いので全ての部材が「溶融亜鉛メッキ」されました。こんな事をしているのは「現代コンテナ建築研究所」 だけ。だと思う(爆)。

溶融亜鉛メッキと言うのは、ほら、高校生の化学の時間で習ったでしょ「イオン化傾向」と言う金属の元素の陽イオンになろうとする性質に金属によって違いがあり、その順番に並べたものです。「リッチに貸そうかな まあ当てにすんな 酷すぎる借金」と言うやつです。あ、わたしの事といえばそうもいえますが、原子の陽イオンになる順番です。

で陽イオンになりやすい「亜鉛」で鉄を包んでやると、鉄が錆びるのを防ぎながら、亜鉛の方から酸化するのですが、これまた酸化被膜が亜鉛自身の酸化も防ぐのでとっても長持ちするというとてもステキな処理なのです。そうね、5倍以上長持ちかな。

これからパーツ同士を溶接で繋いでいく工程に入ります。
丁寧です。はい。やるべきことは淡々と。

常識を超えたサイズの扇風機が「ゆっくり」とまわり、外部の心地よい空気を送り込んでくる。
BBQを楽しむプライベートデッキでは3方が囲まれた半屋外だ。この風が煙などあっという間に飛ばしてくれる。
それより何より、なんだか不思議なロック空間だけど、空気はいつもキモチイイ。

という仕掛け用の細工でございます。
すまん。まためちゃくちゃかっこいいものができそうだ。アーティストはね、未来の映像が見えてくるの・・・。
でもね、これをやらせてくれるオーナーもすごいと思うよ。

グランピング向け20FEETX1台_規格モデル発売

コンテナグランピングの構想を組んだ時、利用出来る面積からコンテナを1台では無理、または2台でなんとか、あるいはもっとそれ以上とコンテナの数が増え、結果的には「収支」が成り立たないと諦める場合があるだろう。

20FEETX1台で宿泊施設を成り立たせる方法が生まれた。ハイキューブコンテナを、横倒しのプロポーションで作る「LAY_DOWN方式」だ。コンテナの平面的縦横サイズは、ノーマルの使い方をした時、外形ではW2438mmXL6058mmXH2896mmだ。これでは内装のサイズはW2100XL5720XH2450程度、ワイドはベッドを入れたらなんとか入るサイズ。ベッド2台を並べることはできない。これを横倒し型で使うとW2550XL5720XH2150で使える。

ベッド2台が使いやすく入るサイズになる。天井高さが低くなるが、実際のモデルを見ると、意外と気づかない方が多いくらいで、実用上困る寸法ではない。それのデッキをつけると解放感も増し、快適な居住空間となる。

上記クリックで「A3版」のカタログがダウンロードできます。

爆発的人気のレイダウンコンテナ20FEET

爆発的人気の、まさに「神コンテナ」「LAY_DOWN_20FEET_container」による20FEETX1台で居室が成立するという、画期的「発明」。20FEET_ハイキューブが横倒しのプロポーションで作られている。もちろんムリに横倒しにしたのではなく、横倒しにした時に「構造が成立」するように設計してある。マネしたいだろうが残念ながらPAT.申請してある(爆)。20FEETX1台で16.5m2になり、それにデッキをつけると、2人部屋で余裕だ。ハイデッキ(高床式)も、ステージ感が出て最高さ。おまけに設備配管が自由だし、床下を風が吹き抜けて気持ちいい。

当社独自の工法の集大成

どこのコンテナ屋もついて来れないのは知っているが、年々当社は新たな工法を開発し、コンテナ建築業界の先端を走っている。

この建物は特に離島用に開発された「パッケージディール」という方式、そしてハイブリッド工法、イクステンション工法という手法で建設される沖縄本島のCAFEだ。