コンテナハウスとシニフィアン_シニフィエ

モノゴトを解析するチカラをさずけよう

当社のコンテナは中国で作っていただいているので、コンテナ用のドアや壁材やパーツは揃っている。日本の建築基準法にのっとってデザインしているので建築基準法はクリア出来るし、コンテナっぽくない外観にも、コンテナらしい外観にもデザインする事が出来る。

商業空間を造りたい時のお客様の要望の中では、当社への依頼は「コンテナっぽいデザイン」を好まれる事が多い。それには理由がある事はわかっている。「コンテナ」というモノが持っている「ウラに張り付いたイメージ」が大切だからだ。しかし、何か事業を始めようという方々も「よし海洋輸送用コンテナを使おう!」という事で、色々調べるのですが、調べれば調べるほど、ISO海洋輸送用コンテナが「建築」として認められない時代になっている事が解って来る。そこで、結局、法規をクリア出来る当社の建築用コンテナにたどり着く事になるのだ。

ときに、「物事に秘められたウラに張り付いたイメージ」の事をフランス語で「シニフィエ」という。そして見えているビジュアルそのものの事を「シニフィアン」という。商業施設やデザイン性が求められる世界ではこの事象の事をよく理解しておく必要がある。「シニフィアン」と「シニフィエ」。「意味作用」と「意味内容」と訳されたりする。ソシュールというフランスの哲学者によって定義された言語学用語である。

面倒な話だねえ。コンテナに話を戻そう。コンテナのシニフィアンは

この写真そのもの。まさにコンテナ。です。しかしコンテナの「シニフィエ」は色々なものに広がって行くのです。
ワイン好きの方には「リーファーコンテナ」で届けられる香しきワインを想像させ、アパレル系の方は「中国の縫製所」から届いた商品を彷彿とさせ、IT系のコンピュータメーカの方は、やっと届いたかという「東南アジアからのボードの山」を思い浮かべたりします。つまり、コンテナにまつわるいろいろなストーリーがそこには絡み付いているということになります。
この「シニフィエ」がまさに「ビジネスイメージ」に直結して行くのが「空間デザイン」と「ビジネス」の関係なのです。

何かのショールームに「コンテナがふさわしい」としましょう。それはなぜでしょう。「輸入のイメージ」があるからかもしれません。「ちょっとやさぐれた感じのガレージイメージ」に繋がるからかも知れません。少し危ない感じの港の雰囲気とその商品のコードが一致するからかも知れません。ともあれ、そのようなイメージの集積率が高い時「雰囲気あってんじゃん」という事になるのです。

さて、当社のコンテナをどんなイベントに使いましょう。イベントに使い全国12箇所ほど回って、充分な告知結果をだした後、それでコンテナは御用済みですか?そんな事をしてはいけません。このコンテナを積み上げ、繋ぎ合わせ「建築物」にする事が出来ます。たとえば、壁を全部とっても構造的に成り立ちます。そんな素材今まであったでしょうか?(反語)しかもリーガルチェックはスムース。コンプライアンス完全対応でカッコいい、コンテナショールームが出来るのです。

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色々な世界に使える道具(シニフィアン・シニフィエ)

シニフィアンとシニフィエを覚えました。このモノサシは商業施設計画の中では強力な武器です。頭の整理にとても使えます。会社の中で、事業戦略のコンセプターを務めるあなたには最高の武器となるでしょう。それをジャッジするあなたには、正しい結論を導き出す正しいモノサシになるでしょう。経営者のあなたには多くの示唆を与えてくれるでしょう。

例題
コンテナと建築、コンテナと商品、コンテナと彼女。コンテナとバナナ。コンテナと経済。
それぞれ、シニフィアンとシニフィエというコトバを使いながら、上記の2つセットのコトバを、200文字程度で相手に空間を彷彿とさせる文章を書け。(爆)

具体例はまだ掲載出来ません。イベントが終ったら載せます。

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ふざけた例題を出していたら、私の旧知の作家から、戯れに素晴らしい回答を頂いたので掲載しておきます。くれぐれも騙されないように。(爆)


解答例

●コンテナと建築

コンテナと建築ぅ?
あのあれ?ほらさー良く道端にさびさびで置いてある
バイク好きののバイク倉庫とかぁ?
納屋代わりの農機具入れとか?
貸し倉庫とか、中古車販売のとこによく在る?
どれもなんか小汚いよね。ま、段ボールハウスよりマシって?
あははは。
え?そういうんじゃ無いんだ。へー。
でも普通はコンテナって言われたらさーあの
臙脂色のJRに引っ張られてるあれとかさー、
港に置いてあるあれとかぁ?
え?そういうのシニフィアンって?
知らなーい。

建築かぁ。
あたしの父親が昔水道工事の業者やっててさぁ
ってかだいぶ前に家飛び出してから会ってないから
生きてるか死んでるか知んないけどさぁ・・・
もうすっごいいやなおやぢで、酒飲むし、おかん殴るし、
パチンコばっかだしさーもう嫌でさー。
典型的なほらあれよ、あれ。
でもさー、あのすっごい地震があったじゃーん、
あの時さぁ、もう大変であたしもめっちゃ怪我してさー
おかんもなんかショック過ぎて一言も口聞かないしさー
家もヤバいし、どうしよーってパニクってたらさぁ
おとんがいないのよ。
こんな時までどっか行きやがってーってがちムカついてたら
同じ業者のおっさんと飛び出して行ったらしくてさぁ。
やっぱ水よ。水が大事な訳よ。上水も下水もさぁ大事なわけよ、
人が生きるのに。
それで取り敢えず水が出るように?流れるように?
なんか必死だったみたいでさぁ。
5日位してやっと家にもどってきてさぁ。
あたしとおかん、水どころじゃねーっつーのにさぁ。
まぁさ、そんな感じよ。

え?コンテナだけど住めんだ。へー。普通の家と一緒?
っんとー? 上水も下水もちゃんとついてんの?へへへ。
建築つったら水道が一等大事なんだよ。覚えといてよ。
へーコンテナに水道かぁ。。コンテナが家かぁ。

え?そう言うのをシニフィエ?
だから知らないってばー、
ってかお客さん話うざいー。
もういいから、フルーツ頼んで良い?


●コンテナと商品

コンテナでかー。
そー言われてもなぁ。
コンテナって言われて浮かぶのはやっぱJR?
小さい頃から「貨物列車の通過です」って言われると
怖いのに黄色い線ギリギリまで近寄ってどきどき待って
案の定凄い勢いでやってくると怖過ぎて
一度なんかバク転気味に転んで駅名看板で頭打ったなぁ。
中学生になってからは
「横を同じ速度で走れば連結部分に飛び乗れるか!?」
とか考えてたなぁ。我ながらバカ。
いやバカじゃねーな。すげーな俺。
そんな俺のシニフィアン。

で、コンテナで。
うーん。
コンテナ一杯にプリン作ってプリン祭り!
コンテナが開くとそこから溢れんばかりの裸のおねーちゃん!
コンテナでドラムスチール大会!
誰が叩く訳よ我ながら。
どうしようこんな案じゃ親父に、あ、いや社長に見せられないなぁ。
斉藤に適当に書かせようかな、それ俺の案にしようかな。
そうしよっかなそうしよっかなそうしよーーっと。
それではっやっくっ!里奈ちゃんのっ!おみっせにっっと。
キャバクラと言えば里奈ちゃん!
それが俺のシニフィエ!ふっふふー。

コンテナ・・・・。
本当にあのぼんくら息子・・・いや専務は何時も頭に来る。
何が「斉藤君に一任したからね!」だよ。
あんな息子が専務じゃこの会社危ないし。
社長は自伝出版に夢中だし、
息子は正真正銘のキャバクラバカ。
キャバクラと書いてバカ専務と読む。
でもコンテナはコンテナと書いてコンテナ。
コンテナは入れ物!器!
箱!がわ!パッケージ!
それ以上でもそれ以下でもないっつーの。
今日は俺もう終了。終了終了。
あ、桜井君。

コンテナかぁ。
面白いかも。
課長に帰り間際に押し付けられたけど
これ広がるかも。おもしろいかも。

「単なる●●にとどまらず・・・・」って物言い、
商談やプレゼンで聞くと、なんというか
「いかにも考えてます、広げてます風だけど、
実は考えてないし。つじつま合わせてるだけだし。」
って感じがして俺寒いんだけど、あはは。
でも今回はあえて

単なる箱にとどまらず
単なる箱にとどまらずかぁ・・・。
コンテナは商品。
ツールが無いから売れないではなく
コンテナをツールに。 無限のシニフィエ。

「桜井君、まだ帰らないの?キャバクラでも行かない?」
「ええ 当分帰りません」


●コンテナと彼女

あああ、目の前には、はるか彼方まで信じられない程のコンテナの群れ。
コンテナと言われて誰もが思い浮かべるCOSCO・MOL・WANHAI・・・。まさにシニフィアン。

一体この中からどうやって彼女を捜し出し、救い出せば良いんだ。
俺は探偵でも刑事でもない。普通の会社員なんだ。
定時退社でまっすぐ家に帰るんだ。それなのにどうして俺が?
彼女ってもまだ三ヶ月くらいしかつき合ってないし、いやもしかすると
あっちはつき合ってると思ってないかもしれない。
それなのに突然「助けて!助けに来て!」ってメール。
うぉいうぉい映画かよ。どっきりかよ。
あぁーあの俺会社員なんすけど。草しか食べない会社員なんすけど。
自分一人で部屋綺麗だし、服にこだわってるしクリーニングに出すし、
炊事洗濯困らないし、一人でDVDみながら
ちょっと良いワイン飲んでるのが一番幸せだし、
人が自分ちのトイレ使うのあんま好きじゃないし、
他人の物が部屋に在るのも嫌。SEXも出来ればずっとしたくない。
だからもーいいんだけどなぁ。どうしようかなー。
取り敢えず時間だし仕事行くかぁ。

あああ、目の前には遥か彼方まで信じられない程の種子の入った缶の群れ。
韓国や中国から毎日大量に入荷。まさに俺のシニフィエ。
そう俺は植物検疫教会職員!略して植検!
1コンテナに一体何缶よ。あん?それが一体何コンテナよ。あん?
毎日この中からあてずっぽに「これ」と言われた箱を開け、
あてずっぽに「これ」と言われた一缶を開ける俺。
退職までにこうやって「これ」と指差しされた缶から
金塊や覚せい剤やまぢヤバい種やなんかが出てくる確率は
どのくらいなんだろう。

出ろ!なんか出ろ!
かしゆかのサインでも、
グラン・クリュのシャブリでも
ケッヘル626番のレクイエムでも。
出たら俺は・・・・

彼女を捜す。
業務の一環として。


●コンテナとバナナ

コンテナのシニフィアンと
バナナのシニフィアンは
平均的日本人にとってほぼ共通しています。
コンテナといえばあれだし、
バナナと言えばあれです。
バナナと言われて、あの姿が浮かばない人は
「フルーツっていったら佐藤錦かマスクメロンか、
あまおうか、岡山白桃以外になにがあるのかしら。。」
とすっとぼけた事を言っておいてください。

さてそんな安易なシニフィアンに対して、
コンテナのシニフィエと
バナナのシニフィエは
『お互いを無条件で呼び起こす、類いまれな、
日本人にとっての「シニフィエのがっぷり四つ」』
です。

がっぷりよつ。

今、お互いの両手両足が絡まっている様子が浮かんだ
そこの貴方。
違います。シニフィエ違いです。
お互いの両手、四本が絡まっているという事です。
滝に打たれ反省しましょう


●コンテナと経済

コンテナやコンビナートや工場、
そういう言葉を聞いて
日本産業地図の色々な地域が頭に浮かび、日本一の
「製紙工場」「繊維工場」「機械工場」「自動車工場」
などと覚えた事を思い出した人、
それもう過去の地図です。

日本の産業地図は、そして経済は、
毎年恐ろしい勢いで変化しています。
いつまでも昔の日本産業地図を思い浮かべたまま
中国産や韓国産を小馬鹿にしうかうかしているうちに
日本産などとという物は近々無くなるでしょう。
日本が海外に売れる物は、そう「物」はもう在りません
技術? 韓国中国インドに抜かれます。
商社的な意味合いでの存在価値が残るだけでは無いでしょうか。

そんな中、日本人が中国に働きに行くのが流行です。
もちろんコンテナの片隅に隠れてや、小舟で行くのでは在りません。
その理由は中国で一発!という前向きっぽいものも在れば
日本で仕事が見つからないしという後ろ向きなものもあります。
徐々に、足元の砂が崩れ、立っていられる面積が
少なくなっている事に早く気付きましょう。
そう、例えばコンテナといわれて、
貴方がシニフィアンとして思い浮かべるそれは
既に100%中国産です。日本にコンテナ工場はありません。

そんな経済的にアウトな末恐ろしい日本ですが、
それでも世の中の営業マンは売らねばなりません。
「考えておく」
「善処する」
「機会があったら」
「経済的に今ちょっと厳しい」
そんなきっぱりとした疑いの余地のない
お断りの言葉に負けずに頑張りましょう。
「このご時世ですから」という言葉を多用するクライアントに
将来は在りません。
経済に関してのシニフィエは常にどんな時でも前向きな映像で。
「売れないもの」ではなくあなたが「売れない人」なだけ。
経済学部を出て経済の判っている人がほんの一握りなのと同じ。
売れる人は売る。
かとおもえば経済アナリストと称して
値切りの仕方を伝授する輩を持ち上げ続ける
マスメディアの破廉恥。
日本の首を絞めてます。
自ら「名人」「プロ」「匠」「伝説の」
「時代を作った」「達人」(笑)などと名乗り
マスメディアに露出するのと同じ位、破廉恥(爆笑)。

と、考えた事も無い経済について
適当にある事無い事書いてみた私は
専業主婦。
厚生年金は第三種被保険者。
払わず貰える唯一の種族(笑)。うほほー。
それなのに営業マンの夫から
「今日はご飯家で食べる」とメールが来るとイライラするの。

そんな私の「経済」のシニフィエは「値切り」。
今日もお外でランチしてから、
一円でも安いスーパー回って更に値切るの。
まけてね。このご時世だから

コンテナハウスとその未来

当社は建築設計事務所であるが、お客様の中には「建築設計事務所」も多い。不思議な話だが、建築基準法に詳しければ詳しい程「輸送用コンテナの限界」が解っているので、当社に相談に来られる。わたくしどもは当社のコンテナ建築システムを成長させ、普及していきたいので、「建築設計事務所」の相談には積極的にのる事にしている。

当社のコンテナハウスのシステムを理解して頂き、建築設計事務所の方がコンテナハウスを設計すると、また思いがけない方向のデザインが出来る事がある。もう10年以上も「コンテナハウス」を設計してきても、趣味や思考の方法が違うとまた違うデザインが生まれるというのが面白い。

集合住宅の案を出して来たのは「更田建築事務所」。面白い。

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残念ながら計画に終ったが、いつか「更田建築事務所」とやりたいデザインだ。

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コンテナハウスとモータースクール

トヨタのコマーシャルですら、というか、トヨタだからこそ出来ると言えばそうなのですが、ドラえもんが登場しのび太なども登場するテレビコマーシャルは「クルマの宣伝」ではなく「クルマに乗る為に<免許>を取ろう」というコマーシャルがある事をご存知でしょう。免許を持っていないと「クルマを買う」という事すらなくなるので、少子化の時代、新たなエントリー層に対して「まず免許を取ろう」という事になっている時代です。

さて、自動車免許を取ろうという方々は「比較的若年層」つまり大学生や若い社会人。取り分け就職にも優位だろうという事で学生の間に自動車免許を取る方は多いと思われます。なぜなら社会人になってからより、その為の時間は取りやすい環境にあるという事もあるでしょう。おまけに学生の場合「夏休みや春休み期間」という素敵な時間がある訳です。

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それに目をつけた自動車学校が考えた戦略が「合宿で自動車免許を取る」というプラン。学生ならでは出来るプランです。あるいは卒業して就職するまでの間などに取るには最適のプランとなります。

基本的には大都市圏に学生は多く、田舎から出てきている学生は故郷に帰って取る事も出来ますが、比較的田舎の宿泊費の安い場所で自動車学校が競ってそのようなプランを出しています。早稲田大学などでは生協の商品にもなっているくらいです。

最近の学生は成長した日本の社会の中で育ってきましたから、そんな合宿免許講習とはいえ「1人部屋」で過ごしたいというのが一般的です。自動車学校も民宿などとタイアップしてやっていましたが、なかなか少子化でこの企画も厳しい時代を迎えており、コスト削減とグレードアップに悩まされています。だんだん外注的なタイアップでは対応は難しくコストのかからない方法はないものかと模索しているのです。

外注型では外注先の利益を含んだ額でしか対応出来ませんから、それなら自社で「宿泊施設も対応してはどうか」という事になってきます。

宿泊施設は「コンテナハウス」の中でも「同じタイプの部屋」を複数作る事になりますが、実は工場で生産するユニット式のコンテナハウスはこのような複数同じタイプというような作りの時にコスト的にはメリットが出やすい方式です。同じものを次々に作り出すのは結構得意だからです。

こうしてコンテナハウス型「宿泊施設ユニット40FEET_type」がデザインされました。
ユニットとしてはなんと一部屋あたりのコストは400万を切ってしまいます。(家具や備品込み)
(現地の基礎や設備系の1次側は含まれていません=現地調査をしなければ決まりません)

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コンテナハウスと内モンゴル(中国自治区)

中国の旅順にある会社から「内モンゴルにホテルをコンテナで作りたい」という相談があり、どうやら本気らしいので中国まで打合せに行った。

中国の話なのに(謎)、エコロジーとか自然エネルギーとか循環系の計画だとか、先進技術だとかの現代的キーワードの話がずいぶん出てくる案件なのだ。中国にもずいぶん先を見通した方もいるのだなと思いながら中国に向かい、打合せに望んだ。ホテルを作りたい場所は中国の「内モンゴル自治区」の中にある有名な観光地、しかも何もない「草原」が素晴らしいという地域だ。

どのような場所かというと、このような感じらしい。

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実は中国の中では「植物油」の一大生産地であり、「レアメタル」が埋蔵されている地域である。何といっても広大な「草原」が素晴らしい観光地なのだ。その草原を破壊する事なく、しかも冬は厳冬の場所真冬となれば−40℃の世界らしい。観光シーズンは夏の3ヶ月のみ。その3ヶ月の間の草原が素晴らしいらしく、中国国内でも行きたい観光スポットの10本指に数えられるそうだ。

内モンゴル自治区。ジンギスカンの活躍した地域だ。確かに馬が似合う。

その草原へのインパクトを最小にし、再生可能エネルギー供給も考え、人間が訪れて生活する事によるインパクトも極力抑え、建設会社などもちろんいない所に「ホテル」を作るとなると「コンテナホテル」しかない。という結論らしい。建設会社がいない所での建設となると「コンテナハウス」というのは当社の「離島建築」と同じ意味でコンテナハウスはその根幹が持つ「ロジスティクス内包型建築」という意味で確かにマッチングがいい。そして当社が研究している「オフグリッドハウス」の商業版という意味では当社にもマッチングがいい話だ。

実はクライアントは3年くらいのスパンで設置場所さえ移動し、「設置場所周辺への環境的インパクト」を最小にしたいとも考えていたそうだ。

そうですか・・・。そこまでいうならこの話考えてみよう。

かくして、オフグリッド_ローインパクト_コンテナハウスホテルプロジェクトのはじまりはじまり.

コンテナハウスのデザインコード

コンテナハウスのデザインコード

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デザインのコード (code)      記号・暗号・規約などと訳せば意味は分かるだろうか。

デザインのモード(mode)      見せかけ、道、外観、マナー、ショー、モード

デザインのノード(node)    接点・結節点・節

デザインのオーダー(order)            秩序・指令・順位・体制 などと言えばニュアンスはわかるだろう

デザインされた空間であるかどうかを見極める超重要語句である。

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どのような方向であろうとこれらの語句で空間を見たとき、
それらにある一定の「機序」があれば
明らかに「意思」が入った空間である事を理解出来る。

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コンテナハウスであろうが、コンクリートの空間であろうが
それらをコントロール出来たとき
ある種の「驚き」や「感動」、あるいは「意思」を伝える事が出来る。

私どもは「デザインされた空間を作る」を目指している集団です。
コストコントロールをしながら、リーズナブルなデザインされた空間を作ろうとしていますが
貨幣的な価値の意味合いで「安い」ものを作るとしている訳ではありません。

コンテナハウスとマニエラ(デザインの手法論)

カタチあるものを設計して行くとき、概ね何らかの「手法」によって進めて行く事が多い。


画像はレオナルド・ダ・ヴィンチの【ウィトルウィウス的人体図】。人間のプロポーションと図像学との関連性を説く図だ。

デザインの手法論とは、分かりやすく言えば「万能モノサシ」のようなものだ。物事を選択して行く「はかり」がないと、物事を決めて行くのは難しい。カタチを決めて行く作業も同じ事で、プランを決めるとき、垂直方向のビジュアルを決めて行くとき、今書いた「プラン」と「垂直方向のビジュアル」という言い方そのものも、そのような決め方をしているという「マニエラ」の話でもあるのだ。

つまり、決めて行く手法と手段と序列みたいなものがあり、「モノ自体」が持つ「特徴」には手法と手段と序列のような関係は実は曖昧にも関わらず、生み出して行く時にはそれら「手法と手段と序列」のようなものがある方が組み立てやすいという特質を持っている。しかしながらこの事が、実はデザイン作業に支障を生み出す事もある。アートという世界で考えるとその事は了解しやすい。基本的に理論に沿ったアートという世界もあれば、それがないからこそアートという考え方も成り立つからだ。

「Notes on the synthesis of form」という論文を書いた「クリストファーアレグザンダー」という、数学者から建築家に転向した有名建築家がいるが、その方のモノを背敬して行く時のマニエラの理論は、わたくしは少々感化されたものだった。極めて理論的で数学的なデザイン理論。しかし最終的には極めて図像学的な手法と言えるものだった。

当社は、デザイン作業はコンテナに関して言えばとんでもない数のプランを描き続けてきた。その経験値は力にもなるし、足かせにもなる。マニエラは常に更新されて行くべきものなのである。

クリストファーアレグザンダー Notes on the synthesis of form

コンテナハウスはコンテナっぽくない時もある

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コンテナハウスはみな「コンテナ」っぽいかというと、そうではない作りも簡単だ。

仕事が詰まって、スタッフ共々ドタバタと仕事をこなしているときも活気があり、何かが作られて行く様をそのまま表していて楽しい。また同様に、あるいは反対に、少し目の前に迫った仕事の事を忘れて、一人でアトリエで勝手な仕事をしている時が最も心地よい。(それでもやっぱ仕事してるのか・・・)。

建築は実はテクストだ。「最も文学に近くて遠い物理的構成物のレトリックの世界」だ。つまり建築物を造る事は「物語を書く事」に概ね等しい。それは「ある一つの世界」を描く事になる。独立した物語りなのか、周りの状況に溶け込んで行く環境一体型の拡散型世界なのかそれは設定によることになるのだが、建築家の作業は小説家のそれに似ているように思えるのである。

構成の方法をよく、言語論的アプローチ、あるいは構造主義的アプローチを試みる。一方で建築も総合芸術の一つのジャンルであり「わたくしたちの中に潜む自由な表現の発露」を具現化する事が建築としての表現の一つであろうとも信じている。その構成のアプローチやマニエラが仕事の質を決定づけるものでもない。

アートとして考えた時、クライアントの存在が消失してしまう。故に昨今の私どもの仕事は「作品」ではないと考えるのが正しいし、「私どもは作品主義ではない」と公言している。つまり仕事に関しては「顧客主義」を貫いている。しかし、気弱な言い方をするならば「アート的要素」には建築は満ちていて、その要素を抜きに仕事に臨むことは出来ない。

一人だけのアトリエでは、時間すら自由に流れて行く。流れて行っていつの間にかなくなってしまうが(爆)心地よい倦怠感の中で、あんなことや、こんな事(謎)を考えていると、明日への希望や勇気やアイデアが生まれてくるのである。

話はもどり、コンテナっぽくない作り。
アノニマスに近いリージョナル建築デザインコードをいかに自分の中で消化し、人のために仕事の中に埋め込んでいくか。そのコードは、ギリシャ(爆)。ミコノス、白&ブルー、しっくい、手作業、まあるいデティール、地中海イメージ。そんなシナリオを経て出来たのが、外壁を覆い隠し、モルタルで塗ったこのコンテナハウス。そんな事も出来るのである。

コンテナハウスと演出論

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「演出」という概念はデザインの世界の場合しばしば使われる。
「デザインの世界」には裏に潜む力として「象徴力」=「サンボリスム(仏)」のチカラが潜んでいるからだ。「何かを象徴的に表す力」のことだ。その「何か」を選択しながらデザインは進められる。

その選択を確かなものにする為に「デザインコンセプト」を決めて作業は進められる。デザインで目指すテーマの事だ。デザインコンセプトによってデザインのシナリオが決められて行く事になる。

商業的な話の場合は実はこの事は比較的進めやすい。目的がはっきりしているからそのデザインコンセプトも比較的照準を絞り決めやすいからだ。

しかしながら「ハウジング」の場合は少々難航する。住むのはクライアントであるあなた様方。「わたしどもの知った事ではない」からだ。もちろんプロフェッショナルとして進言させて頂く事は沢山ある。環境要素や、修景要素、利便性、快適性、空間的要素による雰囲気の変化、照明計画による演出性、消費電力に関わる話、等々枚挙にいとまはない。

比較的、社会性のある外観などは社会的な要素も鑑みながらお考え頂きたいとは思いますが、あなた様のご自宅ですから、お好きなように考えてください。
それをお手伝いする仕事ですから、手助けしながら考えるのはいっこうに構わないのですが、「こんな感じ好き」「こんな感じも好き」「一方でこんなのもいいんじゃないかな・・・」
さて迷路に入り込みました。それを整理するのが「デザインコンセプト」です。まあ、言わばあなたの「デザイン憲章」みたいなものです。

ただし「こうしなければならない」という事もない。例外のある憲章を作れば気が楽にそして纏まりのあるデザインにしていけるでしょう。

やがてSITEに「住宅デザインの進め方」でも掲載しましょう。

料理は建築だ。そしてコンテナハウス。

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料理という世界は実は建築の世界に似ている。

根幹を形成する「基礎」があり、料理の世界ではそれは「出汁」であり、基礎の上に構築されて行く構造物は、料理でいえばその料理を構成する素材のストラクチャーだ。デザイン的な処理は、料理でいえば見目麗しいビジュアルである。

話は少々ずれるが、
この写真の野菜達は実は「コンテナの中で栽培される」=「コンテナ型野菜工場」で作られる野菜達である。クリーンルームで育てられた「きれい野菜」たちだ。洗わなくても心配するには及ばない。

台風が来ても、冷夏でも、猛暑でも、厳冬でも生産効率は落ちず、安定供給が出来る。
もうすぐデビューさせる「コンテナ型野菜工場」は、既に生産のノウハウを固め、安定供給をし、市場に出回らせているある企業が行う。私どもはそのコンテナを、また新たな構造方式(ハイブリッド構造体)で作り上げる。もうすぐ発表、新たなコンテナハウスの世界。このコンテナハウスはコストへの挑戦でもある。ただし「4号建築専用躯体」、ちょっとみそっかすの小建築用だ。

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栽培されたアイスプラント。シャキシャキ感がとてもいい。ちょっと塩味がある不思議な野菜。

2020年。年の初めに。コンテナハウス回想。

「コンテナ」をテーマに建築を初めてかれこれ20余年が経つ。その間大きな動きは平成19年の建築基準法改正の時だ。建築基準法は厳格化され(まあ、いい事だと思っている)、大きく世の中建築業界はシフトした。

その時に概ね「コンテナ」は使えなくなった。法37条の「JIS鋼材を使うべし」という部分でだ。いや、正確にはもっと以前からそうだったのだが、とやかく言う人は少なかったので何となくコンテナ建築というのは存在したのだ。作り始めてだんだん気づいて来たのだが、実はコンテナの有用性は一見LOHASな「中古利用」というリサイクルなメリットよりも、輸送用コンテナが築いてきた「世界中へのチェーンロジスティクスのメリット」の方が建築に取ってきわめて大きいという事実だ。

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その事は、建築の世界ではかつて「メタボリズム」というムーブメントがあった。『メタボリズム1959年黒川紀章菊竹清訓日本の若手建築家都市計画家グループが開始した建築運動。新陳代謝(メタボリズム)からグループの名をとり、社会の変化や人口の成長に合わせて有機的に成長する都市や建築を提案した。』(WIKI)

建築を学んできたものであれば、日本の建築家たちが生んできたこの概念が建築にとって大きな可能性を秘めている事を知っているだろう。そしてコンテナのロジスティクスを活かせれば、メタボリズム建築の可能性がかなり広がる事に気づくであろう。

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その実現化に向けてゆっくりとだが確実に近づき、システムを築き上げてきたのが当社のシステムだ。ハードルはいくつもあった。日本の建築基準法は極めて厳格だからだ。海外との協調でそれを超えて行くには強い意志が必要だ。

そのシステムは完成した。