ゲニウスロキ(genius loci=建築の地霊)とコンテナハウス

「建築の地霊」といっても、イタコ(爆)の話ではない。土地が持つリージョナリティーに対するマッチングの話と思っていただけばいいだろう。

建築は「土地」あるいはロケーションあってのものである。当社のコンテナハウスは「設置後」でも「移設」が可能である事が一つの特徴であるが、トレーラーハウスではないので、積極的に動き回ろうというコンセプトではない。その可能性がなかった建築に対して、いざという時の可能性、あるいはその動体性能が持つ「増築性」また逆に「減築性」「移動性」「サスティナブル性」などの新たな価値を付与しようというものである。

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その事と、リージョナリズムが双反するものだとはわたくしどもは考えていない。コンテナハウスのコンテナは実は「コンテナ構造体」と考えていただければいいだろう。最もシンプルな場合、コンテナ構造体がそのままビジュアルとして現れていて、「コンテナが建築になっている」状態に見える。

実際にコンテナ建築システムの中で、最も根幹をなしているコンテナ部分は概ねすべてが構造体である。建築基準法的にはその「柱」と「梁」だけが構造計算上カウントされ、壁や屋根は計算に付加されておらず、「より強くしてくれる要素」としか見ていない。しかしコンテナの現実の建築の中では「壁材」も「屋根材」も構造強度には寄与している。

その構造体に「断熱性能を持った外壁」や、「やはり断熱性能を持った内装工事」、「空気循環をする為の空気層」を作ったり、地域の土着的建設資材を使い、ビジュアル的にも地域性を醸し出したり、プラン上もその地域が持っている民家の伝統的プランを取り入れたりする事によって、地域文化への同化あるいは同期を考える事もある。

文化はある一定の状態で固定化されるものではなく、変化をして行く。その変化が一般的には「進化」とされる場合が多いが、考慮が足りなければ「退化」という事にもなる。コンテナハウスのビジュアルや組み合わせで出現するプランは実は限りなく広がる。それらを我々は「メタデザイン」というコトバと「コンタクトデザイン」というコトバでくくり分けしながら、日々進化していく文化の様相に対して、そのソリューションの一つとして、提案出来るスタイルを作り上げて行こうとしている。

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コンテナハウスとモシェ・サフディ

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モシェ・サフディーという建築家がいる。読者達は上記の写真で見知っているかも知れない。シンガポールにあるビルだが、彼はルイス・カーンの弟子でもあり、ベースの活躍地はカナダだ。

最近作風がずいぶんと変わりシンガポールの上記の作品は「モシェ・サフディー」とは気づかなかった。なかなかどうも思いつかない画期的なビルであります。

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ずいぶん昔の事だが、ティピカルな彼の作品は下の写真で、メガストラクチャーの中にユニットが差し込まれたモントリオールの集合住宅がひとつの代表作でもあった。概念的には、最近書いた「ロバート・クロネンバーグの動く家」の実現版のようにも見える。クロネンバーグの場合は45度に傾斜したメガストラクチャーが全体を支え、その成長が無限である事を示唆する概念設計であったが、それを実現化するとこのようになるのかと思わせる実施作だ。

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RCで作られたユニットを「コンテナ」に置き換えれば、コンテナハウスのムーバブルハウスになる。写真からはすぐさまには解らないが、このユニット達は「メガストラクチャー」の上に乗ったり、吊り下げられたりしている。

わたくしどもが、コンテナハウスを開発して行く上でひとつのあり方としている作品だ。

コンテナハウスと東京タワー

東京タワー 技術の革新 夢の日本(少年の夢)とサンボリスム

1958年10月14日東京タワーは竣工した。日本人たちは当時世界で最も高い自立塔を建てた事により、日本の技術の進展を確信し、明るい日本の将来をその塔の向こうに見据えたものであった。ビジュアル的にも333Mという確かに巨大な「塔」はその偉容を日本人の心に焼き付けた事だろう。構造家の内藤多仲と日建設計の設計によるもので、確か施工は竹中工務店と記憶している。私が物心つき、少年になった頃はまだ東京タワーが建って数年後だった。まだ九州の山猿だった私は本で見る「東京タワー」をいつか早く実際に見てみたいものだと何度思った事だろう。かなったのは高校3年生の時だ。「凄いな日本人。世界一高いタワーを建てたり出来るんだ。自分もやがてそんな技術者になりたい」と願った。日本はその後高度成長に向けて欧米の猿真似(爆)をし、努力をして行くうちに、猿から類人猿に進化し、やがて名誉白人などとよくわからない自虐的単語も生まれたがそれにも屈せず、技術革新と経済成長に走って行く。俺たちにだって出来るんだ。俺ら日本人は優秀な民族なんだ。そう信じて日本人みんなが走って行った。それも凄い勢いで・・・・。それが間違いだった事はやがて解って来たが、幸せだった。そして概ね皆が同罪だった。

日本は技術革新やものづくりで国の基盤を作って行った。様態はちがうのだが、成長の雰囲気は今の中国に似ている。ただ成長のただ中にある時は、奇妙な団結心的なものがあり、ある意味それは現代では嫌われる事が増えて来た。日本人特有の「集まって進もう」とする、ある種奇妙な一体感、ある意味強迫観念があった。民族意識というものに近いかも知れないが、一人外れるのが怖いのだ。経済成長をピークに持って行ったのは「大阪万国博覧会」だ。これをを引き金に高度成長時代のピークが始まる。古い書物をひもとき、当時のパビリオンなどの写真を見てご覧なさい。びっくりです。まるで「北京の万国博覧会」と同じ列にある事がわかる。でも岡本太郎の太陽の塔は悪くない。岡本太郎は「藝術」を「ゲイジュツ」という雰囲気にまで庶民的な部分に降ろしてくれた。文化と観念の様態に対する個人の感性が「ゲイジュツ」と呼んでもいいのだ、という事を国民に知らしめた。私は戦後の生まれだが、特に豊かな環境でもなく、現代からすれば周りはみんな比較的同じく貧しい環境だったといえるだろう。

筆者の親の世代が、ぎり戦争に志願すれば参加出来る年齢だった。そのような家庭でも「ルノワール展」や「ツタンカーメン展」、様々な海外美術品の展覧会が催されれば見に行くような、経済成長の裏には「文化的なもの」が欲しいと感じるステレオタイプな感覚も生まれ始めていた。東京タワーはそんな日本の象徴だった。「塔」というものは、生まれながらに「象徴性・象徴機能」を持つ。何の象徴かは様々だが、その大きさ、カタチ、偉容、などから自動的に「象徴機能のチカラ」が生まれる。昨今で最も大きな「塔」は最近その予定最高高さまで達した「東京スカイツリー」であるが、最もダイナミックなチカラを持つ「塔」は私は「六本木ヒルズ」である事を疑わない。奈良時代などに時代をさかのぼっても、権力者は「塔」を作りたがる。聳える塔はその時代を統治する「権力」で技術や経済力を自由に動かす力を象徴し、街に棲む人々にその権力者の力を誇示する。そして権力者は「塔」の上から自分が統治する世界を見下ろしたいのだ。

六本木ヒルズ

しかし、その塔を眺めながら「チカラ」を滾らせる者が生まれてくる。虎視眈々と次世代を狙う人々だ。何も社会転覆を狙う者ばかりではない。「違うだろ」「そうじゃないだろ」「間違っているだろ」と疑問符を体中に貼付けた人種である。ある意味象徴物に触発された「現状不満型優秀人間」である。これらは正しいチカラを生む事も多い、その反対も多い。それらのキーマンのフォースに影響を受けた人々が少しずつ膨らみ「フォース」を生み出して行く。例えばこの「フォース」という概念は、映画「スターウォーズ」で登場する「フォース」という概念と意味合いは同じである。フォースはことわざにもあるように「類は類をよぶ」状態を生み出す。企業文化においてもそうである。超巨大企業ではもう「社会」と同じであるからわりと分散しているが、「上場企業になりました」という感じで、その後はそのままそれほど成長していないようなレベルの企業の構成員はまさに「類は類をよぶ」状態である。 魑魅魍魎系はやはり社員がみな魑魅魍魎系だし、火事場泥棒系はやはり皆火事場泥棒系だし、有象無象系はやはり社員も有象無象だ(爆)。

東京タワーは、ある意味いい時代の象徴物だ。「古き良き時代」というコトバがあるがわりとはまるような気がする。なぜなら「日本人に勇気と希望を与えた」「私たちの味方」であった。権力の象徴ではなく「私たちの希望」であった。それを眺める人の心には「なんだか私にも何か出来そうな勇気」が生まれた。そうさせるのは「時代背景」や「公共的電波塔」であったりする事によるが、最も大きなのはやはり「時代背景」だ。日本が民主化の道を歩き、国民一人一人に、「貧しいのに明日の希望が生まれ始めた時代」だったからだ。リリーフランキーの「東京タワー」が描いた世界だ。

大震災が誰もが目をつぶって忘れていた「パンドラの箱」のふたをこじ開けた。夢の「エネルギーの塔」は国民を絶望の縁に立たせている。いくつも並んだ傷ついた「エネルギー塔」はガンマバイアスアタックとなって、常に人の気持ちを突き、気持ちを萎えさせる。技術の革新は人々に夢を与え、事実幸せにするものでなくてはならない。コントロールすら出来ないバケモノ技術を造り出してはならないだろう。決して世はそれを望んではいなかった。そして後の祭り。それが悔しい。

新たな居住システム、あるいは商用空間、または福祉施設、現代は技術は十分に進み、技術的に新しいものは特にある訳ではないが、コンテナのシステムは新たな技術の使い方を目指す建設のシステムとして開発してきた。このシステムで我々は出来る限りの事を行って行きたい。建築が作り出すものの目的は「物理的空間」だけではなく「その空間によって生まれる物語」だ。

コンテナハウスとその未来

当社は建築設計事務所であるが、お客様の中には「建築設計事務所」も多い。不思議な話だが、建築基準法に詳しければ詳しい程「輸送用コンテナの限界」が解っているので、当社に相談に来られる。わたくしどもは当社のコンテナ建築システムを成長させ、普及していきたいので、「建築設計事務所」の相談には積極的にのる事にしている。

当社のコンテナハウスのシステムを理解して頂き、建築設計事務所の方がコンテナハウスを設計すると、また思いがけない方向のデザインが出来る事がある。もう10年以上も「コンテナハウス」を設計してきても、趣味や思考の方法が違うとまた違うデザインが生まれるというのが面白い。

集合住宅の案を出して来たのは「更田建築事務所」。面白い。

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残念ながら計画に終ったが、いつか「更田建築事務所」とやりたいデザインだ。

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コンテナハウスとビジネスモデル

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当社は、コンテナを使った建築物やプラントなどに対し、考えられるビジネスモデルを惜しげもなく発表していきます。ビジネスモデルは「特許」の対象になるほどのものですが、それをWEBで掲載して行く事は、知恵のない同業者はそれを見て「なるほどそういう方法もあるのか・・・・」とそのコピーモデルで事業を進める事が出来ます。そのとき当社は、そのビジネスモデルを真似されて「不利」と考えるのか、いやそうではないと考えるか。実は当社は後者の立場を取っています。不利とは考えていないのです。

読者は覚えているでしょうか、今やデジタルチップによるi-podの時代になっていますが、その原型はSONYのwalk_manというヘッドフォンプレーヤー商品が初めて発表され、爆発的ヒットを飛ばしたことによってこの「ヘッドフォンプレーヤー」というジャンルが構築されました。まさに新たな商品のエリアを開発した新商品でした。この時代「カセットテープ」を駆動させヘッドフォンで聞くタイプでした。そのあまりのヒットに家電メーカーは競ってコピーモデルを作り、TV_CFを流し、それぞれの商品を宣伝し、売ろうとしましたが、売れるのはsonyのwalk_manばかり。他社が宣伝すればする程walk_manが売れるのです。それは消費者心理としてやはり「ホンモノ」が欲しいからに他なりません。かくして、walk_manは不動のセールスをモノにしました。

時代は進み、モーターでカセットを動かしながら再生するという方法は消費電力も多く、電池をすぐに消耗します。デジタル技術が進み駆動系までもがソフトウェアになり、消耗電力が格段に落ち、小さくなりwalk_manはMP3プレーヤーというジャンルに取って代わって行きますが、残念ながら新たなガリバー、apple社の「音楽ソフト配信プラットフォーム戦略」で遅れを取ったSONYは、モノとしては遜色ないものの、次の時代に入って行きます。この遅れはSONYが楽曲の提供を在来の「レコード店」などにも卸している事業体だったがゆえに、デジタル配信に切り替える事に時間を要した為です。切り捨てる時には切り捨てなければ次の時代に乗り遅れるという負の例にもなってしまいました。

少し別の話も混じりましたが、圧倒的な内容と信頼性を獲得していれば、他社が真似をしてくれる事は、むしろ当社の受注を増やす要因にすらなってくれるということなのです。これが積極的にビジネスモデルを発表して行く当社の意味と立場です。

コンテナハウスのDENTAL OFFICE

実は、デンタルオフィスはコンテナでなければ、山ほどデザインしてきた。それに凝っていた時代があった。その後「産婦人科」も沢山設計してきて、だんだんと総合病院に移り、最後は大学病院のICUを設計した。病院系はその大学のICUで終了にした。なぜなら「胃潰瘍」になったからだ(爆笑)。ICUはちゃんと作り上げたけど、設備の化け物で、設備との取り合いで終始し、その交通整理に明け暮れた。この私が(太っ腹のわたくしが)胃潰瘍に・・。

その後はショッピンセンター系と飲食系と、だんだんホテル系、リゾートホテル系・・・・。そしてコンテナにハマった(爆笑)。

いやいや、なかなかコンテナは深い。デンタルオフィスでさえ、今までに見た事の無いようなものを作る事が出来る。図面はスタディープランとその模型。またデンタルオフィスもやります。

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コンテナハウス。ある一つのテーマ。「DC24V」

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当社の勝手な話だが、コンテナハウスの「テーマ」がある。

住宅系に「ワンデザインクラス」を3シリーズ程完成させる。その中でパワード状態として、オフグリッド系コンテナハウスの骨格に一応の完成をみる事。集合住宅系のシリーズを3タイプ程、標準系を完成させる。実はこれらの事の中にはそれぞれ「大いなる野望」が潜んでいる。

どれも法人としての技術レベルをさらに格段に上げ独走状態に持って行きたいという事ではあるが、ジャパニーズ・ガラパゴスにはなりたくないし、世界標準でいいのだが、コンテナハウスの「良さ」を追求し「デメリット」を克服して行く作業の一環だ。

コンテナハウスはなんだかんだ言っても「建築のシステム」としてはまだまだ新しく完全に完成しているとは言いがたい。建築基準法上も特に問題はないし、公的融資も受けられる。確かに工期は短いし、同じ重量鉄骨系の建物に比べればかなり安価だ。事実、多くの方々に受け入れられている。しかしまだまだ、改善する余地は沢山潜んでいるのだ。

片方で「独創性をめざしアートなコンテナを目指す」一方で、「標準形」を開発してローコスト化を目指す。両極を目指さねばならないというこの矛盾・ジレンマはまだまだ開発にたずさわる人間が少なすぎるのかも知れない。

コンテナハウスと宿泊施設 「リゾート的宿泊施設」

コンテナハウスとマッチングのいい業種の中に、「リゾート的宿泊施設」があります。

その理由の筆頭は外観やインテリアデザインの
1.「非日常感」です。
次に考えられるのはそれらが設置される
2.「敷地の場所」に対する「設置の容易さ」です。
建築物は50%以上が工場において組み立てられているので、現場での施工ウェイトが在来工法よりも少なくなります。それゆえ建築職人の少ない「リゾート地」では施工性に関するアドヴァンテージが高くなるのです。さらに「事業性のある施設」ゆえの
3.「建設期間の短さ」なども挙げられます。事業決定してから完成までが一般建築の工期よりも3ヶ月短いとすれば、売り上げは3ヶ月早くから立つのです。建築確認申請が始まる時点から工場での生産が可能である事、上記の施工性の容易さから総合的に工期は短くなります。

日本国が「観光立国」を目指す話は10年前からありましたが、にわかには信じられない話と思っていたのですが現実に海外からの「観光客」は右肩上がりを続けていますね。

国民自体も、また地域を活性化しようとする行政や地域の方々も「観光」に力を入れ「地域文化」を改めて掘り起こす試みや、地域の名産、特産、特色づくりに熱心になって来ています。
「とりあえず海外旅行」という雰囲気は消え、DISCOVER JAPAN的な旅行も増えているのは事実です。

宿泊業を営む方々からの「コンテナハウス」への関心は高まり、コンテナハウスの現実の建設戸数は実際に増加し、その比率は高まっています。

ちなみにその他の注目ジャンルは
コンテナハウスのカフェ・飲食店
コンテナハウスの別荘
コンテナハウスのガレージハウス
コンテナハウスの美容室

などが注目度が高いですね。
しかし、美容室だけは実施件数が少ないのです。思ったより建設コストがかかるということのようですが、他の工法より高いということはないのですが、美容室は設備工事比率が高いので、総合的にはなかなか建設費がかかります。安心安全の建築物が圧倒的に安い工法などなかなか出てきそうにありませんですから、どうしても必要なところは省くわけには行きません。
もし今後の時代で期待できるとしたら「3Dプリンター建築」に少し期待が出来るかも知れません(爆)

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ヘビーメタルスタジオ付コンテナハウス

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写真はアルマーニイクスチェンジだが、ヘビメタの雰囲気を出す為に掲載した。

今度日本に居住する米国人の為の住宅を設計する。
ご夫婦だが旦那が「ロッカー」しかも「ヘビメタ」のロッカーだ。思う存分練習が出来るスタジオも欲しいらしくその依頼も含まれている。

普通の外観では飽き足らないのでと、御本人がレイアウト図面迄準備してきた。
コンテナハウスは防音室として可能かどうかという相談も含まれていた。防音は音レベルの「制振技術」でもある。音のインシュレーション技術についてのノウハウは、実は「船舶内装」の技術の中で大きく進んだ事をご存知だろうか。

船は水中のプロペラで水の流れを作りその推進力で進んでいるのが一般的な方法である。このプロペラで水をたたく時の水圧の変化が船体に伝わり、大きな音を出す。なにせ、巨大タンカーなどになればそのプロペラの直径は数メートルにもなり、それを回すエンジンの出力など27000馬力という途方もない力だ。そのエンジンの振動もものすごい。当社は「船舶内装」のノウハウを持っている。音としての振動の制振技術に関してもプロである。

ご存知のように「振動」は騒音である。その騒音を止めるのは「制振技術」という事になる。
実は「音」レベルの振動の制振技術で最も効果があるのは「重さ」である。重さは「振動エネルギー」を大きく減衰させる。そして次にその振動を伝えない「柔らかさ」も大きな武器になる。

その両方を使って音をコントロールする。
出来上がったらその効果をお伝えしよう。

ハイブリッド生命体

コンテナは与えられたものではありません。
20世紀最大の発明の一つに数えられる「コンテナ」は一つの「概念」として生み出されたものです。もともと海洋輸送用に計画されたこのコンテナという概念は「物流の世界を激変」させ、もう一つの20世紀最大の発明「インターネット」と同じように世界中を席巻しました。当社はこの「コンテナの概念」をしっかりと抑え、今度はコンテナの世界と「日本における建築基準法の概念」と重ね合わせ、ハイブリッドな世界「コンテナ型建築構造体」を作り出したという事です。

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世界最大のコンテナ船(EMMA MAERSK)     コンテナはこの船会社の発明とされている

物流の世界の「貨物そのもの」の一つに「建築資材」のジャンルが大きく締められています。建築物はフィジカルなカタチと重さを持った実在として構築されて行きます。当然それらが運ばれて行くとき「コンテナ」に入れられ運ばれるシーンはとても多いのです。

コンテナハウスの一つの概念は「建築資材を極力無駄に運ばず作り上げる」事も思想の一つに入っています。工場に集中して資材を集め、アッセンブリーした後に「コンテナそのものとして建築のユニットを運ぶ」事によって、無駄な動きをセーブする事が出来るようになります。結果として「物流コスト」の低減に役立つ事が出来るのです。

サスティナブル建築としてのコンテナハウスはそんな部分でも参加しているのです。
コンテナのロジスティクスシステムを利用しながら建築を作るという概念まで気づいている方はコンテナハウスの世界ではまだ少なく、当社はその概念を広げながら新たなジャンルの建築システムを完成させて行こうとしています。