ヘビーメタルスタジオ付コンテナハウス

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写真はアルマーニイクスチェンジだが、ヘビメタの雰囲気を出す為に掲載した。

今度日本に居住する米国人の為の住宅を設計する。
ご夫婦だが旦那が「ロッカー」しかも「ヘビメタ」のロッカーだ。思う存分練習が出来るスタジオも欲しいらしくその依頼も含まれている。

普通の外観では飽き足らないのでと、御本人がレイアウト図面迄準備してきた。
コンテナハウスは防音室として可能かどうかという相談も含まれていた。防音は音レベルの「制振技術」でもある。音のインシュレーション技術についてのノウハウは、実は「船舶内装」の技術の中で大きく進んだ事をご存知だろうか。

船は水中のプロペラで水の流れを作りその推進力で進んでいるのが一般的な方法である。このプロペラで水をたたく時の水圧の変化が船体に伝わり、大きな音を出す。なにせ、巨大タンカーなどになればそのプロペラの直径は数メートルにもなり、それを回すエンジンの出力など27000馬力という途方もない力だ。そのエンジンの振動もものすごい。当社は「船舶内装」のノウハウを持っている。音としての振動の制振技術に関してもプロである。

ご存知のように「振動」は騒音である。その騒音を止めるのは「制振技術」という事になる。
実は「音」レベルの振動の制振技術で最も効果があるのは「重さ」である。重さは「振動エネルギー」を大きく減衰させる。そして次にその振動を伝えない「柔らかさ」も大きな武器になる。

その両方を使って音をコントロールする。
出来上がったらその効果をお伝えしよう。

ハイブリッド生命体

コンテナは与えられたものではありません。
20世紀最大の発明の一つに数えられる「コンテナ」は一つの「概念」として生み出されたものです。もともと海洋輸送用に計画されたこのコンテナという概念は「物流の世界を激変」させ、もう一つの20世紀最大の発明「インターネット」と同じように世界中を席巻しました。当社はこの「コンテナの概念」をしっかりと抑え、今度はコンテナの世界と「日本における建築基準法の概念」と重ね合わせ、ハイブリッドな世界「コンテナ型建築構造体」を作り出したという事です。

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世界最大のコンテナ船(EMMA MAERSK)     コンテナはこの船会社の発明とされている

物流の世界の「貨物そのもの」の一つに「建築資材」のジャンルが大きく締められています。建築物はフィジカルなカタチと重さを持った実在として構築されて行きます。当然それらが運ばれて行くとき「コンテナ」に入れられ運ばれるシーンはとても多いのです。

コンテナハウスの一つの概念は「建築資材を極力無駄に運ばず作り上げる」事も思想の一つに入っています。工場に集中して資材を集め、アッセンブリーした後に「コンテナそのものとして建築のユニットを運ぶ」事によって、無駄な動きをセーブする事が出来るようになります。結果として「物流コスト」の低減に役立つ事が出来るのです。

サスティナブル建築としてのコンテナハウスはそんな部分でも参加しているのです。
コンテナのロジスティクスシステムを利用しながら建築を作るという概念まで気づいている方はコンテナハウスの世界ではまだ少なく、当社はその概念を広げながら新たなジャンルの建築システムを完成させて行こうとしています。

スマートコンテナを支える構造体

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例えばこのコンテナは「ラーメン構造」という(剛構造)という形式で作られています。ISOコンテナとは違った構造形式です。柱と梁が溶接で十分な強度で接合されている為、柱と梁のみで強固なボックスを構成しています。当社のコンテナは基本的にはこの構造方式をとっているのです。

この構造方式をとると、窓や出入り口が好きなところに取る事が出来ます。壁を構造としてカウントしていないからなのです。このガラスのコンテナはTBSの赤坂サカスに設置されています。時には飲食店に、時には車のショーケースにと季節によってその用途が変わっています。用途が変わるたびに、システム設計されているこのスマートコンテナの場合、出入り口さえ場所を変えたりしながらその時の動線に合わせてその取り付け位置すら変更可能なのです。

稼働に加え、プラン変更なこのコンテナ、ガラス張りなので少々お値段は張ります。

スマートコンテナというジャンル

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当社では、今までにない発想で作られ、ある種の新たな世界を作ろうとしているコンテナで、「輸送」は一つのキーワードにはなっているものの、「運ぶ為のキャリア」を超えたコンテナを「スマートコンテナ」と呼んでいる。当社の場合、おおむねそれは「建築用」ではあるが、建築基準法上の「容器」の概念に属し、「建築基準法」の縛りを受けないものも含まれている。

「容器」にあたるものは、「サーバールーム」・「蓄電池収容型ハイエンド筐体」・「プラント型で非常時以外、人が入らないもの」などがそれにあたる。これらは建築基準法の縛りを受けないのでISO型コンテナでも対応が可能であるが、結局のところそれなりにISOコンテナとは違ってくるので、やはり最初からその用途用のものをデザインして製造している。

建築でありながら、平屋で小規模のもの(4号建築用)のローコストバージョンも実は今開発している。きわめてISOコンテナに酷似しているが、建築基準法37条をクリアする「主要な構造体はJIS鋼材」を使った4号建築用躯体である。そのような開発は他社にはなかなか出来ないであろう。コンテナを知り尽くし、製造環境を整え、海外に赴く事を厭わない性格と不屈のデザインマインドに包まれなければ、ここへはたどり着かない。