コンテナハウス カフェ 費用_002 (検討するために「モデルを設定」する)

モデル設定

コンテナハウス カフェ 費用_002 (検討するために「モデルを設定」する)具体的な例がないと「なんとなくの話」にしかならないので、ここでは一つのカフェの例を設計してその費用の積算を試みます。家族二人(夫婦)とアルバイト1名程度で回せる60㎡=18坪程度のカフェをコンテナで想定してみましょう。業態はいまどきのCAFE.食事+スウィーツ+ドリンク+アルコール飲料を出せる店としましょう。
あなたの店の開発に関しては別カテゴリーの「コンテナハウスカフェ開業コーチ」を読破してください。多分ここまでの開業記事は他には見つからないと思います。

想定の60㎡は下写真のような感じの大きさです。写真は実際に建築中の建物で、工場で「仮組み」(確認のための組み立て)をやっている所です。

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ではその図面をみてみましょう。クリックすると大きく表示されます。

CAFE_平面詳細_004

とりあえず立地は南の島のあたり
ちょっとデッキも使ってリゾート立地なイメージです

室内延床面積 60.63㎡
デッキ面積28㎡

20FEET_containerX2台
ハイブリッド工法+エクステンションデッキ

建設におけるコスト構成(予想金額はあくまで当社の予想数字です。工務店によって単価は違いますので、工事を保障出来る数字ではございませんので、悪しからず。参考という事でご了承くださいませ)

0.設計監理費用・行政調整費用・確認申請関連費用(完了検査含)・消防調整費用・保健所調整費用_150

まずはあなたと打ち合わせしながら、建設地の諸条件を整理しながら建物(CAFE)の設計をします。
行政に「建物を立てる許可」をとります。それが建築確認申請です。関連機関(消防・条例の担当窓口)への申請や許認可をとります。
まずはしっかりと取り組むべき項目です。ここでCAFEの内容は一旦固めなければなりません。
CAFEは「飲食業」ですから保健所への申請もあります。
まだCAFEは「机上」のものでしかありませんが、ここで「揺らぎ」は無くさねばなりません。
あなたの意見もここでしっかりと反映されていなければなりません。
工事が始まれば「不測の事態対応」は仕方ありませんが
工事が始まってからの「変更」は余計なコストの元ですので、しっかり考えましょう。
設計監理にかかる費用はこのスケールですと工事費の6〜10%くらいです。
金額的に言えば、このスケールなら150万くらいの金額ですが
設置場所によって設計監理に関わる「出張旅費や宿泊費」が発生する事もあります。
出来上がりますと申請した設計通り出来ているかどうかの行政の「完了検査」があります。
その他、営業許可を取るための保健所の検査などまでがここの経費の総体です。
ここは「セルフビルド」的に出来る所ではありませんので専門家に依頼します。
そして全体の「出来」に対して支配的な部分でもあります。

1.準備工事・共通仮設工事 20

敷地の整備費用、仮設トイレ、足場、安全柵など「現場」においての整備事項や工事にあたって工事内容に関わりなく準備すべき項目です。
敷地の整備は当たり前ですが、安全対策や足場の準備などのコストも「工事のコスト」の一部です。
モノを作るという事は万全な準備があってこそ予定通り進みます。職人たちが安全に仕事が出来る環境作りも決してないがしろに出来ない項目です。
敷地の整備は出来ているものとすると20万円程度です。

2.基礎工事 150

工事が始まり建物のベースとなる基礎の工事です。土を掘って埋め込むべき基礎を作るための、位置の確定から始まり、土工事を含んでいます。
「コンテナ建築にも基礎は必要ですか?」などと聞かないでください。建築物です。安全安心な建物を作るための「礎(いしずえ)」で、とても重要な項目です。
このスケールの建物で基礎は大体150万円〜250万円程度です。
ある程度の幅があります。その幅は「地盤の状態」によって変化します。

3.コンクリート工事 (上記に含む)

基礎のために掘った土地に砂利を入れたり基盤を整備して、コンクリートの型枠を作り、鉄筋の配筋をしコンクリートを流し込んで基礎を作ります。
工事費としては上記の「基礎工事」に含まれる書き方が一般的ですので、上記のコストに含まれます。

4.鉄骨工事(コンテナ製作費)・製作管理(下記に含む)

コンテナの製作図を作り、コンテナを製造します。繋ぎに使う鉄骨、パーツとしての「外壁ユニット」や「デッキの構造材」なども全て作ります。
当社では海外(中国)の鉄骨工場でコンテナを作ります(大連・青島・上海など)。JIS認定鋼材を使って認証を持った鉄骨工場で組み立てます。
工場の設計スタッフと打ち合わせたり、製造中の管理にも行きます。主要な構造になる部分ですので「完成検査」にも行きます。

5.コンテナ輸送・輸出・輸入・現場への搬入 420

メインの構造体である「コンテナ」に「パーツ」としての構造材や上記で作ったものを「コンテナ」にパッケージングし、工場から輸出・海外での通関・船での輸送・日本での通関・現地への輸送搬入をします。
コンテナ本体が1台100万円程度X台数 & パーツとしての鉄骨が100万円程度、通関費用・輸送費用・現地への輸送などで100万程度、管理費用50万くらいでこの項目合計450万くらいです。

6.コンテナ建て方工事  40

現地に「ラフテレーンクレーン」を入れてコンテナを吊り上げアンカーにおろし固定します。またパーツの鉄骨やユニット壁材などを取り付ける工程です。
40万円程度でしょう。

7.建築金属工事 120

屋根材やその付属金物、止水用の金物、雨仕舞い用の金物、樋工事などがこの項目です。
120万円程度です。

8.内装工事・造作工事 140

もし、あなた方がなんとかやっていけるとしたらこの項目が候補の一つです。
「内装工事」とは建築工事の中では「内装仕上げ工事」の意味もありますが、
内装工事をやる上での「下地工事」=内装の板などを貼り付ける下地も含めて「内装工事」と言います。そのような中でも特に「カウンター工事」や「棚」などの工事のことを「造作工事」と呼びます。大雑把な言い方ですが、この項目で250万くらいの工事費用が一般的にはかかります。

9.内装仕上げ工事 50

上記と似ていますが一般的に本当に「表面」の仕上げ工事を言います。
具体的にいうと「壁の塗装工事」とか「壁天井にビニールクロスを貼る」「フローリングを貼る」「仕上げ材を貼る」などです。

10.金属建具工事 80

金属製の建具を作り取り付ける工事です。サッシ工事などもその項目がなければ金属建具工事に入ります。
とりあえず「金属製のもの」です。
代表格は「入り口扉」(木製の時は「木製建具工事」)、窓サッシなど。
今時は少なくなりましたが「スチールサッシ」などもそうです。

11.木製建具工事 20

トイレの扉、個室の扉、スタッフルームの扉などが「木製建具」であることが多いです。
すなわち「室内用の扉」などは木製建具であることが多いですね。

12.電気設備工事 120

これは「電気工事士」の免許が必要です。電気は間違った配線や回路を作ると「火災」の原因になったりするので
免許制度になっています。ここはセルフビルドがしたかったら「電気工事士」の免許を取ってください。

13.空調設備工事 40

エアコンばかりではありません。給排気設備(概ね換気扇の事)などの工事も含みます。
厨房の換気大切です。そして法的な24時間換気の取り付けも必須です。電気工事が絡むので「電気屋さん」が行うケースもあります。

14.給排水設備工事 100

給水給湯・排水工事それらの機器への接続もありますガス設備・給湯器などもそうです。でこれも専門職でないと難しいと思います。

15.衛生設備工事 30

トイレ・洗面台・シンク・食器洗い機などが絡んで来ます。これも専門職でないと難しいですね。

16.厨房設備工事 機器類120  接続工事10

厨房機器の選定はあなたの仕事でしょうが「接続工事」は設備屋さんにやってもらいましょう。

17.左官工事

タイル工事やモルタル工事などです。計画時にこの職種が出るのを避ける事は出来ます。
うまくは出来ないでしょうが、練習すればあなたがやる事も出来ない事ではないですが、少し荒くなっても「アラ」が目立たない仕上げ方法を選びましょう。

18.防水工事 20

屋根や繋ぎ部分などの「防水工事」です。専門家(屋根屋さん・金属工事屋さん)などにお願いしましょう。

19.塗装工事

ここも「荒い」感じでもよければ、あなたが出来ない事もない工事です。「きっちり仕上げている感じ」を出すためには「養生」が命です。
計画時に避ける事も出来ます。

20.雑工事 10

なんとなく残ってしまう部分を「雑工事」と呼んでいますが、大工さんだったり、塗装屋さんだったり、コーキング屋さんだったりします。その部分次第です。

21.サイン工事  30

いわゆる「看板工事」だったり「表示するもの」全般を指します。微妙なところでして「手書き」がかっこいい時もあり、フィルム貼りがかっこいい時もあり、全体のデザインのテイスト次第です。

22..外構工事 (30から)

結構予算がない時はすぐに後回しになり「残念な結果」(爆)、に陥りやすいところです。
ここはそれなりに予算を確保しておきましょう。

23.現場管理費用・出張・宿泊費用 60

現場監督の人件費と技術料です。3万円/日くらいです。20日かかる現場なら3X20=60万

24.工務店会社経費 150

工事を受ける会社の会社経費です。請負額の8%から10%くらいでしょうか。

さて合計すると1910万円です。消費税は別です。
何かと変更などで予算は膨らむ事はあっても減る事はありません。
だいたい2000万という目安になります。

ただし店舗内のテーブル椅子・レジなどの備品は入っていません。
それらにだいたい少なくとも200万くらいかかるとすると2200万

消費税10%です。大きな買い物に10%はなかなかキツイですが逃れられません。

さてセルフビルドでコストダウン出来るところは140万でした。
さらにコストダウン目指すなら「迷惑かえりみず友人知人大動員、知人職人手弁当」で落としても(そんな協力者がいればという事ですが)
2000万(消費税別)が限界の数字でしょうか。
あとはスケールダウンなどという事になります。

あ、デッキの施工費用入ってなかった。鉄骨は入っているので+50万くらいですね(これは自分で出来ますね)。
図面は描いてそれなりに積算してみましたが、具体的な仕上げ材や、機器は選んでないので「廉価品」バージョンと思ってください。

なかなか「店」を作るというのも大変ですが
税務上の償却年数ではなく、この施設で「10年」で施設の元はとろうとすれば
(税務上は30年です)
10年くらい経ったら手直しのリニューアルくらいしたいので10年設定にしました。

施設償却費としては166.000-/月、テナント開業の「家賃」と変わりません。
テナント開業でも内装工事費・設備工事などは必要ですから、考えようによっては「比較的楽」な荷物です。

それをクリアする「売り上げ」を計画してみてください。

そのためには上部メニューの
コンテナハウスカフェ開業コーチを読んでください。

コンテナハウス カフェ 費用_001(基調論)

コンテナハウス カフェ 費用はどれくらいでしょう。
色々な噂があるけど、正しい情報が知りたい。

そうでしょうとも、下手をすれば「コンテナハウス20万で」なんて書いてありますからね。
とりあえず言っておきますが「そんな事はあり得ません」(爆)。
運ぶだけでそれ以上の経費を要求されます。
基礎だけでそれ以上の費用がかかります。
電気工事だけでその何倍もかかります。

コンテナハウスだから安いという事はありません。
正確にいうなら
コンテナハウスとして日本の建築基準法が認めているのは
JIS鋼材で作られ、認定を受けた鉄骨工場で溶接工程を行った躯体を使ったもの。
コンテナは「重量鉄骨」が基本です
一般的重量鉄骨より少し廉価だという事は言えますが
概ね木道よりは少々高く、RCよりは廉価だというのが、一般的位置付けです。
安心安全な誰もが使える建築物がそのような費用でできる訳はありませんが、
どのくらいで可能なのかの試算はやってみましょう。

それでも「カフェ運営で生きていきたい」と考えているあなたには、ちゃんとした情報をお伝えしようと思います。
カフェは「繁盛店」と「そうでない店」の収益の差はとても大きいのですが
店を作るための最低の資金と、生きて行くために必要な最小の売り上げのラインを出してみましょう

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コストイラスト

サンプルの積算項目の図面は「住宅」ですが、考え方は同じです。

概ね知りたい時の項目を「プロ的に書く」と上記の絵のようになりますが
多分出来るだけ「安く作りたい」(そりゃそうですよね)という読者も多い事でしょう。
背中の荷物は最小にして、効率よく運営したいものです。

建築のコストは「職人の人件費」が最も支配的です(ウェイトが大きいです)
建築資材的には「使うものは使う」ので、そこはそんなにコストダウンできる所ではありません。
なので「安くやる最後の手段は=セルフヘルプ=セルフビルド」です。
つまり「やれるところは自分たちでこなす」
それには「コンテナハウス」は「構造体」がコンテナですから、
皆さんが最も不得意というか、普通出来ない所(構造体を作り上げる事)は
コンテナハウスでプロが作るとして
内装工事は自分たちでやるという方法が残っています。

それは「腕に覚えがあれば」可能だと思いますが
覚えばなければなかなか一筋縄では行きません。
覚悟を持って臨めば出来ない訳ではありません。

では「プロに頼めばいくら」
セルフビルドで出来る所を設定して「セルフビルドも考えていくら」を試算してみましょう。

すみません試算は「続く」という事で次回に。
今日は今から打ち合わせに出かけます(爆)