傾斜地のコンテナハウス(鉄とガラスのラビリンスwith greeeeen)

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いくつかのエスキースの後におおよそ固まった「傾斜地のコンテナハウス」。出来るだけ斜面を削る体積を減らしながら計画を進めた。各層はコンテナの高さで構成されながら、アプローチは南アプローチと北アプローチの両方から可能だ。

北と南は当然建物の表側と裏側を構成する。どちらが「表」という話はどちらでもいい話だが、北側からアプローチすると40FEETのコンテナが1台だけしか見えない。

南からアプローチすると、3層の建物のように見える。

北アプローチで玄関を入ると、いきなり南の眺望が開け、アンダーレベルのルーフトップが大きなデッキを構成する。クライアントの使い方次第だが、インターフェースを構成するこの空間は「ギャラリー」にでも使いたい空間だ。

アンダーレベル1に下りると、キッチンとリビングがL型に構成され、Lのコーナーを挟んでまたリビングデッキを構成しており、外空間との調和と溶け込みを意識している。

渡り廊下を渡ると、そこはユーティリティーとバス空間が用意されている。眺望がいいのに、近隣はそばに無く、遠く離れているので、外部空間を見下ろしながらの入浴が楽しめる。

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アンダーレベル2には寝室などのプライベート空間が準備されており、一日の疲れを癒す空間となっている。それでもここは、更に下に接する道路からは4Mの高さを持っており、セキュリティーの面でも優れている。

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シドニー・オペラハウスとコンテナハウス

シドニーオペラハウスは、ヨーン・ウッツォンという建築家の設計によるものだが、極めて多くの「工業化手法」が用いられた建築物でもある。

工業化がアート的発想にとって何かを妨げるものではない事を示す好材料でもあるが、そんな事当たり前でもあるので話題にする必要もなかったかも知れない。ただ、何となく「職人的」あるいは「人為的」あるいは「情状的」あるいは逆に「恣意的」なものこそアート的だと思われていた時代もあったので、少し説明的になってしまったのだろう。ヨーン以後ではサー・ノーマンフォスター(英)が、工業化手法を使いながら(時には航空機製造技術を建築にまで)アートな建築を造り出して行っている。

つまり、工業化建築が「アート」としてのレベルに達する時、何が起こっているかと言う事を考えると、工業化のシステムを一つの「素材」として扱い、ある種システムの枠を超えてそれらが昇華された時にそのものがアート化するという状態になっているような感じを覚える。

コンテナハウスをそれなりにかっこ良く、「ほうこれは・・・」と思える状態に持って行く方法は概ね分かっているが、コストや構造の方法に限界はあるので、思ったままに計画する事はなかなか出来ない。概ね最近はコストの問題の方が大きいかも知れない。そうはいいながら、いい作品を目指して日々取り組んでいる。工業化建築としてのシステムを整えながら新たな作品が生まれる事を目指している。

コンテナハウスのデザインコードについての備忘録

コンテナハウスのデザインコードについての備忘録。

デザインのコード (code): 記号・暗号・規約などと訳せば意味は分かるだろうか。

デザインのモード(mode): 見せかけ、道、外観、マナー、ショー、モード

デザインのノード(node):接点・結節点・節

デザインのオーダー(order):秩序・指令・順位・体制 などと言えばニュアンスはわかるでしょうか。

これらは、デザインされた空間であるかどうかを見極める超重要語句でなのです。どのような方向であろうとこれらの語句で空間を見たとき、それらにある一定の「機序」があれば明らかに「意思」が入った空間である事を理解出来ます。

コンテナハウスであろうが、コンクリートの空間であろうがそれらをコントロール出来たとき、ある種の「驚き」や「感動」、あるいは「意思」を伝える事が出来るのです。私どもは「デザインされた空間を作る」を目指している集団です。

コストコントロールをしながら、リーズナブルなデザインされた空間を作ろうとしていますが貨幣的な価値の意味合いで「安い」ものを作るとしている訳ではありません。

それなりの表現、それなりの造形を考える時、それを支える技術や、ビジュアルのコントロールをする事は当たり前に必要な事です。わたくしどもは、その事に真摯でありたいと考えています。

ハイエンドコンテナハウスの現代コンテナ建築研究所。

アンドリューワイエスと建築作品

描かれた世界のむこうにある私の真実_アンドリューワイエス

淡々と同じテーマを描き続けたアメリカンリアリズムの巨頭アンドリューワイエス。

スーパーリアリズムのジャンルでもあるが、ポップな要素を持つスーパーリアリズムと少し線引きされる部分がある。それは奇をてらった部分は微塵もなく、さらりと描いて行くリアリズムというところだ。

ジャンル分けなどしてもそれは「鑑賞する側の都合」なので意味があるとは思えないが、「妙に引っ掛かる作家の一人」だ。あらゆる創作的活動には、描く世界の向こう側に「何かがある」事は明らかだ。

創り出す世界の向こうに何かがある。それは建築も同じだ。それが何なのかは語ってもいいし、語らなくてもいい。本人にとっては「自律的衝動」としか思えない「動かすチカラ」は、「生きるチカラ」に似て、自分ですらコントロールする事は出来ない。それが作品の向こうにある自分自身の真実なのかも知れない。

コンタとコンテナハウス

コンタとは、実際にある山や谷などの地表の起伏を、ある縮尺の地図上に正確に理解するために、その地図中に描かれた同じ高度上の点の集まり(線)、およびそれらがある一定の高度間隔でつらなった線群である。等高線、水平曲線、コンタ(contour)ともいう。実際の地形と等しい標高部分を線でつなぎ、一目で地形が分かるようにしたものである。建物などの見え方を検討するために、ジオラマ的な模型をつくるときには、等高線にしたがって高低を付ける。

このようにして作った敷地模型がこれだ。スケールは1/200。ボードの厚みが5mmなのでボード一枚の厚みが1Mにあたる。すなわちこの敷地の高低差は10M。この模型を使いながら今回は、この南斜面になる斜面にコンテナハウスを検討する。

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実際にこのような斜面の計画では、絵などのスケッチだけでは、長年立体物の計画をやってきているとは言え、イメージをつかみにくいので、このようなコンタ模型を使うのは極めて合理的だ。特に施主に説明するには平面のパースなどより圧倒的に説得力がある。

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目線に近い位置から写真を取るとこの斜面の感覚がよく伝わってくる。

斜面上の、特に南斜面、そしてその斜面上からの見晴らしはいい感じの敷地だ。
斜面を削ったり、土留めを作りながらコンテナを配する予定だ。斜面の加工は土木的に普通に施工しなければならないがその施工が終れば、ラフラークレーンでその斜面にコンテナハウスを配して行くとこの計画は出来上がりだ。

似たようなさらにスケールの大きな計画を現在中国の「旅順」にも進めている。こちらはブティックホテルとなる。

Dedicated to United States Armed Forces 究極のHEAVY DUTYコンテナハウス

米軍や、防衛省、あるいは民生用としては防災用に開発した「HEAVY DUTY accommodation unit」。当社は右傾化企業ではないが、日本国を愛している。技術をベースにアートな活動を目指す建築家集団だ。

動的に変化する建築。
当社の建築は基本「移設」が可能な建築を開発しているが、ここに掲載するものは「動的に変化する」最もラディカルなシリーズだ。

その事そのものは建築基準法上微妙に感じるが、このスケールならば基本材料などに問題なければクリア出来るはずだ。ビューローベリタス・ジャパンには確認を取った。ここに掲載したものは米軍の為に開発したものだが、装甲板(謎)を普通の建材に変えて民生用に販売も可能だ。設置する場所の「用途地域」その他の規制に合うかどうかは、もし設置を望めばあなたの土地情報をください(爆笑)。チェックして差し上げます。

私の好みはA-3TYPEだ。庭においてやがてやってくる東海トラフ地震に備えたい。格納時の約三倍に居住空間が広がる。家族四人でも快適にとは言わないが、がれきの中よりは遥かに快適に過ごせ、太陽光発電とバッテリーによる蓄電でエネルギーも確保している。ウォータータンクには1ヶ月分の飲み水と、食料ケースには食料が備蓄されている。残念な事に「放射性物質対策」は施されていない。

快適さでは完全にA-2のものだ。なにせ拡張出来るにも関わらず、ハードトップだから風で揺れる事もないし、断熱性能も抜群だ。しかし価格が・・・・・。

当社の作品の盗作は後を絶たないが、これはムリだろう。(爆笑)

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ゲニウスロキ(genius loci=建築の地霊)とコンテナハウス

「建築の地霊」といっても、イタコ(爆)の話ではない。土地が持つリージョナリティーに対するマッチングの話と思っていただけばいいだろう。

建築は「土地」あるいはロケーションあってのものである。当社のコンテナハウスは「設置後」でも「移設」が可能である事が一つの特徴であるが、トレーラーハウスではないので、積極的に動き回ろうというコンセプトではない。その可能性がなかった建築に対して、いざという時の可能性、あるいはその動体性能が持つ「増築性」また逆に「減築性」「移動性」「サスティナブル性」などの新たな価値を付与しようというものである。

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その事と、リージョナリズムが双反するものだとはわたくしどもは考えていない。コンテナハウスのコンテナは実は「コンテナ構造体」と考えていただければいいだろう。最もシンプルな場合、コンテナ構造体がそのままビジュアルとして現れていて、「コンテナが建築になっている」状態に見える。

実際にコンテナ建築システムの中で、最も根幹をなしているコンテナ部分は概ねすべてが構造体である。建築基準法的にはその「柱」と「梁」だけが構造計算上カウントされ、壁や屋根は計算に付加されておらず、「より強くしてくれる要素」としか見ていない。しかしコンテナの現実の建築の中では「壁材」も「屋根材」も構造強度には寄与している。

その構造体に「断熱性能を持った外壁」や、「やはり断熱性能を持った内装工事」、「空気循環をする為の空気層」を作ったり、地域の土着的建設資材を使い、ビジュアル的にも地域性を醸し出したり、プラン上もその地域が持っている民家の伝統的プランを取り入れたりする事によって、地域文化への同化あるいは同期を考える事もある。

文化はある一定の状態で固定化されるものではなく、変化をして行く。その変化が一般的には「進化」とされる場合が多いが、考慮が足りなければ「退化」という事にもなる。コンテナハウスのビジュアルや組み合わせで出現するプランは実は限りなく広がる。それらを我々は「メタデザイン」というコトバと「コンタクトデザイン」というコトバでくくり分けしながら、日々進化していく文化の様相に対して、そのソリューションの一つとして、提案出来るスタイルを作り上げて行こうとしている。

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コンテナハウスのデザインコード

コンテナハウスのデザインコード

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デザインのコード (code)      記号・暗号・規約などと訳せば意味は分かるだろうか。

デザインのモード(mode)      見せかけ、道、外観、マナー、ショー、モード

デザインのノード(node)    接点・結節点・節

デザインのオーダー(order)            秩序・指令・順位・体制 などと言えばニュアンスはわかるだろう

デザインされた空間であるかどうかを見極める超重要語句である。

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どのような方向であろうとこれらの語句で空間を見たとき、
それらにある一定の「機序」があれば
明らかに「意思」が入った空間である事を理解出来る。

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コンテナハウスであろうが、コンクリートの空間であろうが
それらをコントロール出来たとき
ある種の「驚き」や「感動」、あるいは「意思」を伝える事が出来る。

私どもは「デザインされた空間を作る」を目指している集団です。
コストコントロールをしながら、リーズナブルなデザインされた空間を作ろうとしていますが
貨幣的な価値の意味合いで「安い」ものを作るとしている訳ではありません。

かぎりなくISOコンテナハウスに近い遵法コンテナのデザイン

詳細は語れない(爆笑)が、限りなくISOコンテナに近いのに日本の建築基準法をクリアするコンテナを開発した。つまり低価格バージョンだ。「中古コンテナでも確認申請は通せるんです」という方もいらっしゃるが、本当にそうなのか・・・。正確な回答は「通せる時もあるが、通せない時もある」が正しい回答だ。その訳すら知らない設計者には頭が下がる思いだ(爆笑)。まあ、その事はWEBのあちらこちらに書いているので割愛します。

ところが、ついに当社は「概ねISOじゃん」というコンテナで、日本の建築基準法をクリア出来る(インチキなしに・・・)コンテナを今回デザインした。ただし、原段階では少々条件があり「平屋専用」でかつ「連結開放タイプには使いづらい」それ以外の場合は、従来からの当社がデザインした「剛構造=ラーメン構造」のコンテナを使って頂かないといけない。当社では別名「みそっかすコンテナ」と呼んでいる。しかし、輸送用ISOコンテナと違い確実に日本の建築基準法を守れる遵法コンテナだ。

下記のタイプだが、もちろん肝の部分は「モザイク処理」してある(爆笑)。特許取る迄は非公開でございます。

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現在考えている用途は「プラント系」と「老人介護系」そして「単独成立型プランの場合」である。今迄の「剛構造=ラーメンタイプ」は今後も主流である事は間違いないが、それが少々「もったいない」ケースも出てきたので新たな手法の導入に踏み切った。

このタイプの「サービス付高齢者専用住宅」には大きな期待をかけている。破壊的価格で供給出来る可能性が出てきた。超高齢者社会日本の明日の構築に寄与出来る可能性は大だ。

誰も追いかけられない場所まで走っていきます。